「『山のハム工房ゴーバル』がつくる『食べもの』の価値とは」野菜情報VOL.600 令和4年3/20~3/26

 新たに「山のハム工房ゴーバル」のハムやウインナーなどの加工肉の取り扱いをスタートします。「ゴーバル」は岐阜県恵那市の山間の標高600mの串原の美しい自然が残る山村に、獣医で現ゴーバル代表の石原潔さんが同級生の仲間と共に「アジア生活農場」を1980年に設立したのがきっかけとなり、それが現在のハム工房につながっていきました。

 ハム工房の製造では化学調味料、保存料、発色剤などは一切使用せず、だるまストーブにより昔ながらの手法で時間をかけて乾燥、加熱、燻製を行います。そして燻煙には桜の生木を自分たちでまき割をして使用しています。例えばハムは、3週間塩漬けした後、20時間かけて塩抜きをします。そして、成形した肉の中心温度が70℃になるまで4〜6時間かけてじっくりと炭火をかけて桜の木の薪で色と香りがのってくるまでゆっくりと燻して完成となります。この工程には合計23日間もかけ作られます。さらに生ハムに至っては、岩塩をすり込んで2カ月間塩漬けし、室内に干して約5ヵ月間かけて乾燥させていきます。

 「肉をじっくりと漬け込む事で、肉から水分が抜けて、発酵が進み、そして微生物の力で肉の旨味が引き出される」と石原さんは手間に時間がかかる理由を説明し、「昔気質の製法では時間はかかってしまうけれど、それでもおいしいものを作り続けていきたい。」と、その思いを語られています。一般的なハム加工では早い物で、約5時間〜8時間程と言われている中で、ゴーバルのハムは実に100倍近い時間と惜しみない手間暇が込められています。

 原料となる豚肉はご子息の弦さんの養豚場で一貫飼育されています。豚種は3種類の豚の良いところを掛け合わせた三元交配種で、与えているエサの原料には非遺伝子組替飼料(NONGMO)を使用し、抗生物質を使わずに育てています。そして、おがくずやもみ殻を敷き詰められた豚舎では「アニマルウェルフェア」(動物福祉)に配慮しながら、飼育環境の整備に取り組まれています。

 この「アニマルウェルフェア」は日本では「動物福祉」と訳されており、「家畜として飼われている動物たちは経済動物であっても生き物としての『幸せ』を守るべきである」という考え方ですが、それは「山のハム工房ゴーバル」での加工肉を製造する過程でも一貫して貫かれています。幸せに育てた豚を、時間をかけ大切に処理加工して、出来うる限り美味しく食べようとする姿勢には、いただく生命に対しての「畏敬の念」と「食」に対しての感謝の思いが込められています。それは古より私たち日本人が、食卓を囲み食べる時に「いただきます」と手を合わせ、「ごちそうさまでした」で手を合わす「食」への思いに重なります。

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