野「コロナ渦からウクライナ侵攻へ向かう中での私たちの食の未来は」野菜情報VOL.601  令和4年3/27~4/2

 「侵攻で『世界食糧危機に』」という見出しで、3月20日産経新聞の一面にウクライナ農業副大臣へのオンラインインタビューの内容が掲載されていました。その記事にはロシア軍の侵攻が続く中で世界有数の輸出量を持つウクライナ農業への影響が深刻化している状況が語られていました。ロシア軍の実際の占領や今後の進行への懸念から農作業が行えないだけだはなく、農業機械の燃料や働き手の不足、さらに輸出拠点の黒海沿岸も封鎖され機能していない壊滅的な状況だとの事です。

 ウクライナの国土の7割は農地で「欧州の穀倉」とも呼ばれ、国連食糧農業機関(FAO)によると、2020年、ウクライナは主に食用油として使われるヒマワリ油は世界1位のほか、小麦の生産は世界第5位、大麦は世界2位、トウモロコシが世界4位の農業大国です。ウクライナでは間もなく春の作付けの季節を迎えますが、農業副大臣のゾーン氏は「今年のウクライナの農産物生産量がどれほど減少するかは全く想像できず、世界の食糧価格の大幅な上昇をもたらしかねない」と警告しています。

 また、その記事に並んで、「食糧価格最高に 露は輸出制限」という見出しで、新型コロナウイルス禍からの経済回復による需要増に加え、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻を背景に、今月の4日にFAOが2月の世界価格指数が11年ぶりに過去最高を記録したとことを発表し、さらにロシアも14日、国内需要を優先するために、小麦や大麦の近隣諸国への輸出を一時制限始めたと報じています。

 そこで、このような情勢の中で今後の小麦価格動向を取引している前田食品(国産小麦専門の製粉メーカー)さんにお伺いたしました。「ロシアのウクライナ侵攻は、実はまだ現在の価格上昇には反映されていません。それが実質的に影響するのはこれからです」ということでした。さらに詳しくお聞きすると「現在、小麦は年2回(4月・10月)に変動相場制で政府からの売り渡し価格が改定されています。今年の4月の改定は前年の9月中旬から今年の3月上旬までが算定期間で、総じてウクライナ侵攻前でそれほど影響されていません。今度の10月の改定が今年の3月中旬から9月の上旬なので、影響はそれ以降ということになります」ということでした。また前田食品さんは国産そば粉も取り扱いをされていますが、「かつて国産のそば粉と中国産では1俵(45㎏)あたり7000~8000円の価格差があったのに、現在300円の価格差まで中国産が値上がりしています。」と、世界的な価格上昇がそば粉の世界でもおきていると話されていました。

 コロナ渦からの回復基調に伴う需要増などによるインフレ―ションが世界を覆い、さらにロシアによるウクライナ侵攻という新たな局面がより一層今後の社会を不安定にしています。そして私たちの「生命」を守る「食糧」への不安が大きく浮かび上がろうとしています。しかし恐れることはありません。私たちが意識をして私たちの地域で生産されているものや国内生産されたものを買い支えることが「食糧安保」へと直結します。そして私たちの身体と共に地球に安全に生産されているものを選ぶ事は、私たちの身体と地球を健康に育てる未来へとつながります。今こそ、私たちは暮らしの中で、私たちの目の前にあり、それぞれが出来ることを丁寧に積み重ねて参りましょう。

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