ビジョン

「げんきの市場」想いのストーリー

~経験、疑問、出会いを経て~

今から22年前の平成9年に、北越谷にある昭和40年頃から閉鎖したままになっていた木造建ての工場の一画を、知り合いの方から破格(20坪くらいの面積で2万5千円でした)でお借りして、「げんきの市場」はスタートしました。

私がこの仕事を選んだのは、大学生の時にたまたま流れていたテレビを見たのがきっかけでした。そこには終戦後、一面の焼け野原になった東京の姿が映し出され、「私はその時、子供が食べ物を盗むことよりも、それを叱ることのできない自分が悲しかった」という言葉が流れました。それを見た時に私は、『人はパンのみに生きるにあらず』はまさしく真理だけれど、その言葉がすべての人の真理になる時まで、「パンを届ける仕事がしたい!」と思いました。

そして社会人となり、10年間産直グループの事務局の担当者として働きました。そこでは、今現在もお付き合いさせていただいている「生産者」や「消費者」の方に出会い、本当に素晴らしい経験をしました。本当に素敵な時間だったのですが、いつしか自分の中に「いったい、事務局ってなんなのだろう?」という思いが膨らんでまいりました。有機栽培による野菜の生産は常にリスクにさらされています。そして、いざ問題が起きると、いつも生産者と消費者、どちらかにリスクを押し付ける現実がありました。

そんな中で「本当に素晴らしいものであるならば、普通に一人でも多くの人に商売として手渡す努力をしたい」と決意し、独立開業に至りました。当初は、木造のあばら家での営業のため、宅配専門でのスタートとなりましたが、5年後の平成14年、現在の所在地に移り、店舗を構えることができ、現在に至っています。本当に多くの方に支えられ、げんきの市場はこれまで営業を続けてくることができました。長年にわたり「げんきの市場」を支えていただいたみなさまに心よりお礼申し上げます。「感謝」のひとことにつきる道のりです。

令和元年5月吉日
げんきの市場 
店主 山下隆豊