9月の長雨と日照不足の中で私たちの畑におきている事 野菜情報VOL.796令和8年9/20~9/26

  • URLをコピーしました!

9月15日のTBSデジタルでは、「関東甲信越地方の今年9月の積算日照時間は平年の3割以下、降水量は平年の5倍以上になっていて、今後も10日前後、同じような日が続く」と予想されていました。今年の夏も猛暑になるだろうと思っていた私たちは、このところの秋めいた毎日に、お客様とも「過ごしやすくていいですね」と話しています。しかし、この天候は農業をしている人たちにとって、これまで経験したことのないほど厳しい状況です。そしてそれは、取りも直さず、私たち消費者の食卓にも大きく関わってきます。その状況を生産者の山崎さんにお聞きしました。

 「自分が農業を始めて50年以上たつけど、この時期にこれだけの長雨は経験したことがないですね。この時期は秋冬野菜の種まきや定植(ポットで育てた苗を畑に植える)をする大事な時期なんだけど、畑に入れない。このままだと12月に冬野菜が間に合うかどうか厳しいですね。白菜も今月いっぱいの定植ならなんとか育ちますが、これ以上遅れたり、急激に寒くなると、葉が巻かないままになってしまいます。そうなると春までそのままにして、暖かくなって出てくる菜花を『白菜の菜花』として出荷するようになりますよ。今年は気温が下がっていたので、9月初旬に頑張って定植したキャベツやオレンジカリフラワーも、雨が降り続いたことで根腐れし、半分くらいはダメになっています。今後の天候によっては残りの半分も厳しくなりますね。今までピーマンやナスなどの夏野菜が頑張ってくれて、出荷できていましたが、夏野菜の畑にも雨が溜まり、土の中が酸素不足になって収量が激減しています。これで夏野菜が終わると、本当に出す野菜が何もなくなりますよ。ただ、良いことがあるとすれば、吉川でもアライグマやタヌキといった獣たちの被害に悩まされていたのですが、奴らもこれだけ雨が降って畑がぬかるんでいると、畑に出てきませんね」。

 9月17日、18日と雨が降らなかったので、吉沢さんから「この晴れ間に稲刈りを終わらせたいので、野菜の納品を休ませてください」と連絡が入りました。そのことを出荷に来た平野さんに話すと、「そうですよねえ。田んぼをやっている人は、今日収穫しないと今年の天候だと本当に厳しいですよね。畑の方はまだ土がぬかるんでいて、今日も畑には入れないです。農業をよく知らない人は、雨が降っていなければ普通に畑に入れると思っているようですが、これだけ雨が降り続いて土の中までぬかるんでしまうと、下手に畑に入れば土を踏み固めてしまうので、入れないんですよ。今年の秋は、どなたか出せる野菜があるんですかね。これで一挙に気温が下がると、本当に厳しいことになりますね」と話されていました。「彼岸(9月23日)を過ぎると、野菜の成長は1週間変わるんだよ」。昔、農家の方から聞いた言葉です。9月は秋野菜の種まきの大切な時期ですが、彼岸を過ぎて気温が下がると、それまで1日で成長していたものが1週間かかる。それほど、この時期の一日一日が大切だという意味だそうです。このような天変地異ともいえる異常気象の中で、農薬の力を借りず、自然の力で野菜を育てている生産者の方たち。そこから当たり前のように私たちの食卓へ野菜が届く。そんな日常が過去のものにならず、これからもずっと続いていくことを心より願います。そして今、私たちのもとへ届いている野菜たちに手を合わせて、「いただきます」「ごちそうさまでした」という言葉に込められた思いを、次の世代へつないでいきたいと思います。 

よかったらシェアしてくださいね!
  • URLをコピーしました!