歴史的な猛暑の中 元気よく育った自然栽培の上野さんのお米たち 歴史的な猛暑の中 元気よく育った 野菜情報VOL.683 令和5年11/26~12/2

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今年、新潟の生産者の上野晃さんより「幻の米」として名高い「亀の尾」をいただけることになりました。現在、日本で販売されている「コシヒカリ」や「ササニキ」など殆どの品種はこの「亀の尾」から生まれています。かつて「亀の尾」は「東の亀の尾、西の朝日」と言われ、粒が大きめで、あっさりとした味わいと上質な甘みがあり人気のお米でした。しかし、稲の丈が長く倒れやすく、脱粒も激しいので栽培が難しく、その後に品種改良された新しい品種達に席巻され「幻の米」となりました。それがお米アレルギーの人でも「亀の尾」なら食べる事が出来るという事で再注目され、そのような病気を持つ人たちの要望に応える為に上野さんは栽培が難しい「亀の尾」を自然栽培で育てました。「亀の尾」は本来の日本のお米が持つ上質な美味しさがあり、今ではアレルギー以外の方にも好評で、上野さんのお米の中でも人気の品種です。今回、無くなったら終了という約束で頂ける事になりました。「げんきの市場」に並んでいるうちに、是非一度お試しください。

 上野さんは新潟県の有機栽培のパイオニアで2001年から有機栽培に取り組まれ、「合鴨農法といえば上野農場」といわれるくらい全国的に有名な生産者でした。それが2009年に「奇跡のりんご」で一躍有名になった木村秋則氏と出会い、木村さんが提唱されている自然栽培へと自身の農業を切り変えられました。始めて上野さんにお会いした時、ご自身の自然栽培を「日本人が縄文時代から江戸時代まで続けていた農業」と説明され、「それぞれの土地に合わせて作物が喜んで育つように手助けをする農業で、土壌中の微生物や細菌、共生する植物や生き物の種類が多様になり、それを生かす事によって肥料を投入しなくても土壌が良くなる」と教えていただきました。

 ここ数年「げんきの市場」では、上野さんから自然栽培「ささしぐれ」を頂いています。この「ささしぐれ」について、面白いエピソードを上野さんから聞いたことがあります。以前、上野さんの自然栽培「コシヒカリ」を地元の幼稚園の給食に出していたところ、子供たちがご飯を食べきれず残していたそうです。それで、園長先生から相談を受け、上野さんが「ささしぐれ」に変えたところ、残さなくなっただけでなく、みんなよく食べるので足りなくなってしまったそうです。その理由を上野さんは「粘りが強いお米は消化に負担がかかるので、子供たちが無意識のうちに身体に良いお米を好んだ結果」だと推測されています。そして、「本来、糖質が高いお米はガンなどの生活習慣病へのリスクを高める不安がある主食で、ささしぐれのようなお米が『健康な身体を作るための主食であるべきだ』と子供たちの身体は気づいているんです」とも話されていました。

 今年、新潟県は歴史的な猛暑の中で特に大きな被害に見舞われました。7月19日から9月13日まで雨が降らず、上野さん周辺でも稲がずいぶん枯れてしまったそうです。その中で上野さんは用水の水の出し入れを朝晩いとわずにこまめに繰り返し、稲を猛暑から守る努力を最大限に積み重ねました。また、自然栽培で育てた稲は根が1mも延びるので地中深くから水を吸い上げる力があり、被害を殆ど受けずに収穫を迎える事が出来たそうです。新米と共に届いた「多少、白く濁ったお米がありますが、頑張って育ったお米です」というメッセージは、上野さんの心からの言葉です。

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