安部氏が指摘する「『スーパーの惣菜』を買う人の超残念な盲点」とは… 野菜情報VOL.634 令和11/27~12/3

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 スーパーやコンビニで売り場面積を広げている惣菜市場はいまや10兆円産業となり、めざましい成長を遂げています。そんな中、東洋経済オンラインで安部司氏が「平気で『スーパーの惣菜』を買う人の超残念な盲点」についての記事が掲載されていました。安部司氏は「食品の裏側」という本を書いてメーカーの添加物使用の実態を暴き70万部のベストセラーになりました。「スーパーの惣菜」といえば、昔は店内で作られるものでしたが、市場が拡大するにつれどの店も本格的に取り組むようになりました。今、そうしたスーパー惣菜の現状を解説しています。

現在、スーパーで販売されている総菜は製造方法により「インストアークッキング」、「アウトパック」、「リパック総菜」の3つに分ける事が出来ます。「インストアークッキング」は店内で調理されトレーでパック売りされているものです。「アウトパック」は外部の製造業者がつくってパック状態で納品される総菜です。「リパック総菜」とは食品工場で「真空パック惣菜」としてつくったものをパックに入れ直して陳列するものです。

 「アウトパック」の場合は製造から納品、そして販売までのタイムラグがあり、腐敗や劣化を防ぐ為の保存料は欠かせません。それに使われる保存料は「白子たんぱく(抽出物)」ですが、最近は「保存料」が敬遠される傾向にあり、保存料無添加を謳いながら「グリシン」「酢酸ナトリウム」「pH調整剤」「香辛料抽出物」といった日持ちを良くするための添加物を複数つかい「保存料不使用」というラベルで販売されることもあるようです。

 「リパック総菜」で使われる「真空パック総菜」の場合、例えばポテトサラダにしてもゴボウサラダにしても家庭でつくる料理とは別モノのです。それは真空パック自体に問題があるからです。工場で製造されたものを真空パック処理して2回加熱殺菌(90度20~30分)をします。真空という処理で圧縮される事により素材本来の持ち味が壊れ、また、加熱処理によりマヨネーズの分離がおきるので「増粘多糖類」などの添加物が必要になります。また、流通後に開封して販売するために、「グリシン」「pH調整剤」など「保存効果のある添加物」等が、のべにして十数種類以上、たった1つの惣菜に使われることも少なくないようです。

 「インストアークッキング」といっても安心は出来ません。煮物に使われる野菜もコストを抑えるために中国産の冷凍野菜だったり、天ぷらは時間がたってもサクサクした食感をキープする為に「膨張剤」「加工デンプン」などの添加物を駆使した衣だったり、焼き鳥は東南アジアなどの工場で肉をさばいて串打ちをして加熱までしたものを「冷凍」をして輸入し、それを「解凍」し、タレをつけて焼いて完成させます。このように店内調理だからと言って安心だとは言い切れません。総菜売り場の面積や品数の増加の中では致し方無い事なのでしょうか?

安部氏はこの記事の中で「市販の惣菜には『限界』があり、多くの食品は『できたて』から時間が経つほど味が劣化していく。そして『安さ』と『簡単』『便利さ』を求めるには『代償』も伴うという『当たり前のこと』を忘れてしまっている消費者が多すぎる」と戒めています。やはり「安さ」と「便利さ」を求めるという事は、「安全」とは相反するものなのです。「便利さ」と引き換えに一番大切な「健康」を失いたくはありませんよね。

 

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