「食の体勢づくり」野菜情報VOL.541 令和3年1/17~1/23

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「検査をしたらピロリ菌が見つかって、除去した方が良いのか迷っています。先生ならどうされますか?」。

「げんきの市場」では薬剤師で食事療法の専門家である佐藤成志先生をお招きして、15年間にわたり「健康講座」を行ってまいりました。冒頭の質問はその中で、参加者の方から出たものです。

ピロリ菌は1980年代に発見された胃の中に生息する細菌です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの原因と考えられ、現在では「除菌治療」をしてピロリ菌を除去することが出来ます。ただ、確かにピロリ菌の感染率が下がるにつれ、消化性潰瘍や胃がんの発病率は低下しましたが、酸逆流疾患や食道ガンなどの食道疾患が劇的な増加をしました。これらの病気の増加にはピロリ菌の消失が関係していると言われています。

その時、佐藤先生は「ピロリ菌も私たちの身体の中で生息している以上、意味がある。私なら取ったりしない。それよりも大事なことはピロリ菌がいても体の中で悪さをしないような体勢づくりをすること」と答えられました。「健康を守るための身体の体勢づくり」、それは食・心・動・環境の4つの要素で育まれますが、まずはなんといっても、その土台となるのが「食」です。 

「食の体勢づくり」は、農薬や添加物といった不自然なものは口に入れないことは前提として、まずは「食性」にあった食事を心がけることです。動物は本来食べるべき食べものが決まっています。パンダの笹の葉やコアラのユーカリの葉のように、動物には決められた食べ物=「食性」があります。

そして、その動物の「食性」を表しているのが歯の構造です。草や藁しかたべない草食動物(馬・牛)には門歯(草を噛みきる歯)しかなく、肉食獣(ライオン)には犬歯(肉を噛みきる歯)しかありません。人間の場合は約60%が臼歯(穀物を食べる歯)、約25%が門歯(草を噛みきる歯)、そして約15%が犬歯(肉を噛みきる歯)の雑食動物です。私たちはこのバランスで栄養をとるように心がけることが「食の体勢づくり」には大切です。

穀物とは米、麦、キビ、粟、ひえ、そば、とそれに豆類などです。大切なことは、白米のように精製されたものは本来の栄養価が欠如しており穀物の栄養価にはなりません。お米は玄米が理想ですが、3分(玄米に近い精米)、5分(玄米と白米の中間の精米→玄米の80%の栄養が残る)、7分(白米に近い精米)などの精米もできますので、可能な限り胚芽や食物繊維が残る精米を選び、出来れば雑穀などを入れて炊いてください。野菜は農薬を使わずに生命力高く育てた旬野菜を、そして肉類は自然に沿って無理なく育てられ、添加物など使われずに製造されたものをお選びください。

「そんな食材だけを選ぶのは無理だ」と思われたあなた、大丈夫です。それらは全て「げんきの市場」に並んでいます。そして、お店で並びきれないものは宅配で玄関までお届けしています。口の中に入れるものを出来る限り私たちにお任せいただければ、四季折々の食卓を楽しみながら、美味しく食べて、それでいて何一つ悩む必要はございません。

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