「身体という宇宙と共に」野菜情報VOL.538令和12/13~12/19

今、日本では二人に一人の割合で何らかのアレルギー疾患があるといわれ、生涯でガンにかかる人も二人に一人、糖尿病も予備軍まで入れると二人に一人だとも言われています。

なぜ、これほどまでの異常事態になったのでしょうか?

これらの病気は、いずれも生活習慣病と呼ばれています。私たちの生活習慣からなる病気であり、その中でも「食事」の生活習慣が大きく影響しています。農薬や添加物などの不自然なもの摂取の影響も当然大きく関係していると思われますが、それと同時に「欲望にまかせて食べ続けると病気になる」、かつてアメリカの公式文書はその事実を正式に公表されました。

1977年、アメリカでは急激に増え続ける生活習慣病の改善を目指して、2年間の調査を行い、アメリカの公式文書として「マクガバンレポート」を公表しました。その中で、アメリカでは1950年代から急激に増えたガンや心臓疾患などの生活習慣病は「食事」の食べすぎや偏りが原因であり、具体的には畜産物や油脂類、砂糖などのとりすぎをあげています。これらの食べ物は、欲望を刺激するのと同時に、麻薬のような強い常習性があり、身体が必要以上に取り過ぎてしまいます。(ラットを使いコカインとの常習性を比較した実験では砂糖も畜産物の脂質もいずれもより強い常習性が報告されています)

このレポートの中で、「理想の食事」として取り上げているのは江戸時代の元禄以前の食事、玄米を主食に、副食は野菜中心の「穀菜食」(佐藤成志先生に長年、げんきの市場でご指導していただいています)です。注目する点は、江戸時代も元禄以降、経済が勃興するとともに、玄米から白米へと主食が変わり、江戸わずらい(かっけ)と呼ばれた病気が蔓延しました。現在、日本の生活習慣病が蔓延している状況も戦後の経済成長からグローバル資本主義の中で私たちの身体に起きている現象です。経済の成長期、それは「欲望」が主になる時代であり、それと時を同じくして、「欲望」に追い立てられた食習慣が身体という宇宙を破壊します。

私たちは食べ物が、空気が、水がなければ生きることはできません。私たちは「地球」という生命体の中で生きている存在なのです。「欲望」は人類の原動力となるエネルギーであり否定する必要はありません。ただ人類が「欲望」にまかせて地球という世界を考えるのではなく、私自身の生命の円満な姿である「健康」から「地球の健康」を同心円で考えることは、自律神経の交感神経と副交感神経のように、欲望をバランスよく制御し、この星の中で円満に生きる私たちの未来を選ぶ力になります。副交感神経の役割として働く「健康」という概念の誕生が、今、必要なのです。

「食」は私たちの生命(いのち)のつなぎ目であると同時に地球とのつなぎ目です。私たちがそこから「健康」を育て、それを「地球の健康」へと波紋を広げる時、私たちの新しい未来が始まります。微生物、植物、動物、人間、地球、そして宇宙へ、全ての生命に同心円で広がる「健康」という生命の円満なる姿を、私たちの時代に、私たちの手でご一緒に育ててまいりましょう。

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