「天の声 天の時」野菜情報VOL.537令和12/6~12/12

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今週は12月2日の越谷市の自然農法の生産者、石垣さんのブログから…

「大根、まだまだあります。

でもね、出荷はかなり抑えています。

理由は単純。

今値崩れが起こっていて、悔しいですが無農薬無肥料の自然農法で時間を掛けて育てて来た大根たちが大きさと価格で慣行栽培の大根に勝てないんです。

自然農法だからといってべらぼうな値段をつけているわけではなく、周囲が大ディスカウントをしているので結果的に高くなってしまったって感じです。

こんな状況の中でも有り難いことに購入してくださる方が一定数いらっしゃいます。その方々のためにとある程度は適正価格で出荷を続けています。

畑で出番を待っている大根たちは、順次ゆっくり収穫して出荷や切り干し大根の原料としながら周囲の出荷が終息するのを待ちます。そうしているうちに気温が下がって来るので大根は甘味を増して今以上に美味しくなります。

どんどん採ってどんどん売りたい気持ちは痛いほどわかりますが、それをすることで品物がダブついて価格が下がると言う悪循環に巻き込まれたくないのでこんな対応をしています。

丁寧に育てた大根や他の作物を投げ売りすることはどうしてもしたくないのです。」

これ程、秋冬野菜たちが順調に育った記憶がございません。私自身も30年以上、野菜にたずさわってきましたが、今までにない冬を向かえています。台風の直撃もなく、温暖なというよりは半袖姿で過ごしたくなるような穏やかな秋に降水量も重なり秋冬野菜たちの成長を早めました。

「通りかかった八百屋の軒先に積まれたレタスが20円だった衝撃。目をこすってもう1度見たけど、200円ではなくてやっぱり20円」そんなコメントが友人の女性のフェイスブックにあがっていましたが、12月7日の神戸新聞NEXTには大根の価格暴落で自主廃棄を始めた農家が記事になっていました。

 げんきの市場のお店に来られる方や宅配を注文されている方は、今までと変わらず、野菜を買い続けてくださっています。それでも大きく育ち、生産者の方の畑からあふれ出した野菜たちのその多くが売れ残り生産者にお返しする状態になっています。いたたまれず、自然栽培の小林さんに、「げんきの市場の生産者の方々の野菜を取り扱いしていただいているオーガニック野菜の卸の方に、この際、値段にこだわらず出荷させてもらったら?」と話したところ、「パートさんにお願いして袋詰めして、100円以下で販売したら赤字もいいところです。それでしたら何もしない方がましです」という事でした。まさに宮澤賢治の「不作の時はナミダハナガシ 豊作の時はオロロアルキ」状態です。今、世界は歴史に残る新型コロナという疫病が大流行しています。「まあ、こんなご時世だから、野菜でもたんと食べて、みんなコロナに負けんようにねぇ~」と、そんなあたたかな天からの声が聞こえてくるのは私だけでしょうか?

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