「免疫ビタミン」という名称で呼ばれている「LPS」(リポポリサッカライド)という成分を皆さんはご存知ですか?スーパー免疫力を育むと、今、注目を集めています。私たちの身体の中心的免疫細胞である「マクロファージ」を活性化し、病気に負けない身体をつくるのに役立つ成分です。
新型コロナ渦の中で私たちは「免疫力」の重要性を再認識致しました。また、予防医学の観点からも、私たちが自らの力で健康を守る為に大切な1つがこの「免疫力」です。その中で中心的に働くのが白血球の中の「マクロファージ」で、脳から肺、肝臓など身体全身にくまなく分布しており、「病気の原因になるもの」の侵入を監視しています。そしてそれを見つけると捕食して掃除をしてくれます。「病気の原因になるもの」とは、体内に入り込んだ細菌やウイルス、病原菌に感染した細胞、腫瘍細胞をはじめとする体内で発生した遺物、死細胞(アポトーシス細胞)などです。そして、異物の侵入を食べて掃除するだけではなく、その存在を他の免疫細胞に知らせます。
身体の免疫システムの中で、最初に重要な役割をする「マクロファージ」を活性化させるのが「LPS」なのです。「LPS」は日本語で「糖脂質」や「リポ多糖」と呼ばれる栄養素です。「微量で動物の正常な生理機能を調節する」というビタミンの定義の条件をクリアしており、免疫力を上げる効果が期待できるので「免疫ビタミン」と呼ばれています。「LPS」は腸内にも存在していますが、「免疫」に対する作用を期待するのには外から摂取する必要があります。この「LPS」のマクロファージを活性化する力は、キノコ類や酵母に含まれるβグルカンや乳酸菌に含まれるペプチドグリカンなどにもありますが、「LPS」は1000~10000分の1というごく少量で、同じように活性させる力があります。そして「LPS」のマクロファージ活性化は様々や病気予防や健康維持に効果が期待できます。
・ガン予防→マクロファージとNK細胞というガンと闘う2つの細胞を活性化。
・アルツハイマー予防→マクロファージが遺物であるアミロイドβたんぱく質を食べる。
・老化予防→骨を丈夫にし、マクロファージの寿命を延ばす。
・アレルギー改善→獲得免疫のバランスを整えてアトピー疾患などの改善。
・糖尿病予防→マクロファージが糖尿病患者の体内でつくられるAGEsを排除。
・高脂血症予防→善玉コレストロールは減らさずに悪玉コレストロールのみを減らしてくれる。
その他にも感染症や胃潰瘍、肌荒れ、抗生物質の副作用軽減など様々な効果が期待できます。
この「LPS」は土壌に含まれる細菌由来の成分で、土で育った野菜や果物、穀物など微生物の多い環境で育った作物や、微生物が多い海で育った海藻類に多く含まれています。「LPS」は農薬などによって植物につく細菌が取り除かれると少なくなってしまうため、「食卓から奪われた幻の成分」と呼ばれています。そして「LPS」は穀類や野菜の皮の部分に多く含まれているため、穀類は未精白で、野菜は丸ごと食べるのがお勧めです。また、水に長時間さらすと流出し、加熱により壊れてしまう事があるため、生で食べるか、加熱をする場合は短時間にするようにしてください。「げんきの市場」には、暮らしの中で無農薬無化学肥料の露地栽培で育てられた旬の野菜たちが届いています。このような食べるべき本来の食べものが普通に届く状況を維持できるかどうかの分岐点が、今なのです。この環境が当たり前のものだと思わずに、未来に残す努力にお力添えをお願いいたします。そして私たちが身体の健康の為にする選択が、同心円で地球の未来を健康に変えて行きます。