無農薬栽培でピロール農法の米を育てる福井県の石塚猛さん 野菜情報VOL.728 令和6年11/10~11/16

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10月22日23日と福井県で無農薬栽培のピロール農法コシヒカリを作られている生産者の石塚猛(いしづかたけし)さんとそのピロール農法の本部である株式会社エルゴンの黒田与作会長を訪ねてきました。今回の旅ではお米を頂いている石塚さんのご苦労に改めて深く感謝をし、黒田会長のお話を伺いピロール農法の素晴らしさを再認識致しました。今週と次週はその報告になります。

 「げんきの市場」では石塚さんからは11年前より、無農薬栽培のピロール農法コシヒカリを頂いています。現在、当店で並んでいる無農薬栽培のお米の中で、一番売れているお米です。その理由は無農薬栽培である上に、ピロール栽培のお米を食べると体に良いのが分りやすいからではないでしょうか。その良さはお米の数値として計測する事が出来ます。毎年、ピロール米はph(ペーハー)とミネラル分の含有量を測定し、phが7.1以上の弱アルカリ性でないとピロール米として販売出来ません。ピロール米には30年以上に渡り、その検査されたデータが残されています。

 通常お米は酸性ですが、ピロール米は弱アルカリ性です。我々の身体の大部分を占める体液(血液・細胞被)は、弱アルカリ性に保つ事により健康を維持できる為、食べて体内を弱アルカリ性に保つ食品を食べる事は、体液を自然と弱アルカリ性に維持する事が出来ます。ただ、現代の食品は環境の変化や、化学薬品などの多用のために弱酸性に偏りがちで、これらの常食により私たちの身体は酸性に傾き、それを補う為に自身の身体の中からアルカリ物質を溶かし体内を正常に保とうとします。主食のお米を弱アルカリ性に変える事は健康維持をサポートします。そして抗酸化力(弱アルカリ)が強くキレート化(吸収されやすい)されている為、ミネラル分(カルシウム・マグネシウム・亜鉛など)が、普通のお米よりも15~25%多く含まれています。更には通常では含まる事のないビタミンB12も含まれます。ビタミンB12 は、高分子で稲では吸収できないのですが、微量なりとも検出されるのは、根でもキレート化がおきており、それで本来お米には含まれない微量ミネラル類が吸収されています。そして、それこそが私たちの健康に必要不可欠な栄養なのです。

 石塚さんは今から20年前、消費者に喜んでもらえるお米を作りたいと試行錯誤する中でピロール農法に出会いました。「最初は、ピロール農法は残留農薬が残らないという事から慣行栽培でスタートしましたが、農薬が残留しなければいいのではなく、どおせなら最上位のお米を育てようと、無農薬栽培に切り替えました。最初は手押しの除草機を押しての除草でしたが、それがエンジン付きに変わり、今は乗用型の除草機で除草出来るようになりました。そして、苗も普通に使われているマットの苗箱ではなく、苗ごとに育てるポット苗で育てます。通常より手間暇がかかりますが、ポット苗はポットの中でしっかり根を張り、根を切ることなく田植えが出来るので活着もよく、雑草にも負けずに育ちます。一番きつい作業がピロール資材を稲の成長に合わせて2回、資材を背負って田んぼにまんべんなく散布する作業です。2回目の散布の頃は一番暑い時期で、正直、あと何年出来るかと考える事があります」。現在80歳の石塚さんに後継者はいません。ピロール農法でしかも無農薬栽培を続けている石塚さんには改めて心より感謝致しました。次週は黒田会長です。

※写真は石塚猛さんご夫妻です

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