OKシードプロジェクト事務局長の印鑰智哉(いんやくともなり)さんが発信している4月11日のSNSで食の安全性が失われていく現実が指摘されていました。以下その引用になります。
「食品審査がどんどん簡略化される。簡略化されるのは安全が確認されたからではない。政府が企業に対して弱体化させられているからだ。
たとえばすでに日本で承認されているモンサントが開発した遺伝子組み換え大豆(Intacta)には70種の従来の大豆にはないタンパク質が作られていることがわかっている。それがどんな問題を作り出すかの研究はされていない。それにも関わらず、遺伝子組み換え大豆は従来の大豆と『実質的に同等』という言葉で片付けられていて、こうしたチェックすらされないのが現実。そしてそのチェックも日本では4月1日から、省から庁へと格下げされた。
小林製薬による紅麹による健康被害が問題になっているけれども、その中でこの機能性表示食品を担当する消費者庁の姿勢は注目されているだろうか?消費者庁に届け出するだけでOK、審査もなし。そして、問題起きても悪いのは企業で消費者庁は知りません?
そしてこの消費者庁の業務はさらに拡大される。今年4月1日から食品衛生基準行政は、厚生労働省から消費者庁に移管され、『遺伝子組み換え』や『ゲノム編集』食品の食品としての担当は今後、消費者庁の担当となる。4月1日からトクホ審議も内閣府食品委員会から消費者庁に。それだけの体制が消費者庁にあるわけもなく、単に簡素化されるだけだろう。
紅麹問題が起きても、消費者庁からは何も動きが期待できないように、これらの分野でも問題起きても何もできないであろうことは想像が付く。
今回のような事件が起きれば注目されるが、そこまで目立たない被害だと注目すら浴びない。冒頭で書いた旧モンサント(現バイエル)の遺伝子組み換え大豆もアレルギーの原因を作り出すなど慢性疾患を作り出す可能性は十分あり、疫学調査が可能であれば問題はいぶり出せるだろうが、その調査は実施されていない。食べて急に症状が悪くなるようなケース以外はほとんどチェックできなくされていく。」
毒ガス兵器としてつくられたパラチオンが殺虫剤として使われ、それがDDT、有機リン酸系、ネオニコチノイド系へと変わっていた歴史は、一見は安全性が高いものへ移行した様に見えますが、現実にはより広くそしてより深く私たち人類の健康を脅かす存在へと入れ替わりました。そして今、遺伝子操作されたRNA農薬(内在遺伝子阻害)への移行が進められています。同じように遺伝子組換えからスタートした私たちの食糧の遺伝子操作はゲノム編集以外に重イオンビーム放射線育種などあらゆる形で進められています。そのような中で、私たちの「食の安全」はかつてない程に危うくなっています。そして、日本政府はそのようなグローバル企業の動きに呼応するかのように、食品の表示義務を簡素化し、印鑰さんが指摘されたように食品審査の簡略化を進めています。それは戦時に国民の生命ではなく国体維持を優先したように、経済大国日本という国体を維持する為に私たちの健康を引き換えに差し出しているように思えてなりません。今こそ一人一人が覚悟をもって「自分の健康は自分で守る」という意識で、食の安全を手に入れる事が求められています