私たちの主食の「安全」を守り続けるために立ち上がる時 野菜情報VOL.703 令和6年4/28~5/4

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 3月29日、「『あきたこまち』をどう守る?東京集会」が開催されました。今、秋田県では「あきたこまち」が重イオンビーム放射線育種によりつくられた「あきたこまちR」への全量転換が2025年を目標に進められています。この重イオンビーム照射は、分子生物学者の河田昌東先生よると「種子細胞に直接作用して、ゲノム編集と同じようにDNAの2本の鎖を両方切断するためにその修復は複雑であり、稀にDNAの大規模欠損や遺伝子の移転が起こる」事が指摘されています。そして今までもガンマ線による放射線照射育種は行われていましたが、それとはまったく次元の違うものであり、その安全性はゲノム編集等の遺伝子操作食品と同様に確約されておりません。

 この「あきたこまちR」はカドミウムの吸収を抑える為の品種で、「国際的なカドミウム基準値に適合したお米の生産」という目標により、この方針を打ち出されました。そして、秋田県の一部地域だけで生産すると高カドミウム汚染地という「風評被害」が起こりかねない為に秋田県全体での全量転換になりました。このような「お米主要品種を低カドミウム米にする方針」は、2018年に農水省により打ち出され、2025年までに全国都道府県で3割の低カドミウム対策の実施を目標としています。すでにコシヒカリ等の22品種が開発済みで、合計で202品種が交代交配種の開発が進められています。そして、農水省は交付金を地方自治体に出して、取り組みを促し、試験栽培や品種開発が進めています。この動きは最終的には日本国全体をターゲットにしているのです。

 この問題を私たちが放置すれば、かつてない「日本の食の安全の危機」が訪れます。重イオンビーム放射線育種はゲノム編集と類似しており、遺伝子への作用が大きく安全性が確証されていません。しかし秋田県は作付けされる全量を「あきたこまちR」に全面切替し、そして表示は「あきたこまち」で表示、しかもJAS有機認証も取得出来るというのです。今までの遺伝子組み換えやゲノム編集の場合、私たち消費者は自らの意志で選択する手段が残されていました。しかしこのままでは、重イオンビーム放射線育種米を拒否する方法が私たち消費者にはありません。そして、それを秋田県の「あきたこまち」を皮切りにして、日本国中全てのお米に広げていこうというのです。

 この「あきたこまちR」の問題は、単に「秋田県」だけの「あきたこまち」だけの問題ではないのです。このまま私たちがこの問題に目をつむってやり過ごせば、ドミノ倒しとなり、やがて日本国で生産されるお米が全てが重イオンビーム放射線育種米になる未来が待っています。そして、お米の種苗は完全に政府に握られ、生産者はその種を毎年買い続けなければならず、そこには消費者と生産者の「食糧の主権」は無く、「食料の安全性」も失う事になります。この東京集会を企画された「あきたこまちR」問題を考える実行委員会では、「あきたこまちR」を「あきたこまち」と表示する問題に対して消費者庁へ提出する要望書を発信団体として名前を連ねて頂ける団体を募集しております。要望書や詳細はOKシードプロジェクトのHP(http://okseed.jp)のトップページより確認することが出来ます。ご確認し賛同いただける団体が増えれば有難いです。そして、私たちもこの問題を、SNSやコミュニティーで取り上げて、私たちの意志を伝えてまいりましょう。

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