科学の進歩が増々「自然界の精妙な命の世界」を 脅かています 野菜情報VOL.678 令和5年10/22~10/29  

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 「遺伝子操作された納豆菌」の事を野菜情報VOL.672で書いたところ、「不安になり有機納豆の製造元に電話したら、遺伝子組み換えの納豆菌は使ってないし、納豆メーカーではあり得ないと言っていたが、この納豆菌の事実は確認済なのか?」という問い合わせがSNSに入りました。そしてその方に南清貴氏(一般社団法人日本オーガニック協会代表理事)の「『安い食べ物』には何かがある」(三笠書房より2017年刊)という本からの引用である事をお伝えしました。

 その問い合わせされた方にどのメーカーに確認したのか聞いたところ、私自身はお付き合いのないメーカーでした。「げんきの市場」で取り扱いしているメーカーではもちろんそのような納豆菌は使っていません。しかし、そのメーカーは付き合いがなかったので、そのメーカーのHPを見させていただき、「ちゃんとされているものを製造されているメーカーで、それで、推測ですが、例えば無農薬栽培の生産者がご自身にとって必要性がない農薬の実態に疎いのと同じで、『ありえない』といったのではないかと思います。」と、お答え致しました。私も精米してお米を販売する事を30年近く続けていますが、以前、精米機の修理に来た整備士の方に「大型の精米工場の精米機には添加物の投入口が別にある」という話を聞いて、始めてお米に使う添加物の存在を知りました。

 ゲノム編集などの遺伝子操作から種や食品を守る活動をしている「OKシードプロジェクト」の事務局長の印鑰 智哉(いんやく ともや)氏がご自身のフェイスブックの9月25日投稿の中で、「ゲノム編集」と共にそれをはるかに超える規模で、私たちの中に「遺伝子操作生物」が入ってくる可能性を指摘されていました。以下、その文章を一部抜粋しながら引用致します。

 「今、化学肥料や化学合成農薬を遺伝子組み換え生物製剤へと置き換える動きが本格化している。米国では遺伝子操作微生物から作った生物製剤が広大な農地で使われつつある。その使用実態ははっきりつかめないが、120万ヘクタールで使われている可能性がある(日本の農地の4分の1を超える)。微生物への遺伝子組み換えは危険が大きい。微生物はどんどんお互いに遺伝子を交換する。自然界にいったん遺伝子操作微生物を環境中に出してしまえば、その遺伝子が既存の微生物に大きく広がっていく可能性は高く、それを止める手段を人類は持たない。そんな危険がわかっているのに、米国政府はほとんどの遺伝子組み換え規制政策を撤廃してしまった。モニターすらしていないだろう。これではもし問題が発生しても米国政府は対応できないのではないか?

 住友化学の農業部門で今、一番成長しているのはこの生物製剤に関わるバイオラショナル部門である。この部門の製品がどのような技術を使用しているのか、わからないが、生物製剤市場が日本でも急成長していく可能性は非常に高い。知らないうちに、私たちは遺伝子組み換えされた、あるいは『ゲノム編集』された酵母で作られたビールや日本酒を飲む時代になっていく可能性がある。そしてそのビールや日本酒には遺伝子操作しているということは表示されない可能性が高い。」

 私たちの科学の進歩が、増々「自然の精妙な命の世界」と「私たちの命」を共に脅かしています。

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