過酷な猛暑の中で私たちの健康と未来を守り抜いた人たち 野菜情報VOL.676  令和5年10/8~10/14 

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今年の夏は地球規模で北半球が灼熱の太陽に焼かれました。そしてその極端な気象により森林火災や異常降水、熱波等の環境災害が世界各地で発生しました。このような異常な夏に、「地球の沸騰時代が来た」と国連のグテーレス事務総長が比喩されましたが、10月に入り、突然にこの過酷な夏も過ぎ去ろうとしています。気候変動を研究されている東京大学准教授の今田由紀氏は、今年の猛暑について地球の温暖化が夏の暑さを「底上げした」と指摘されています。このような過酷な夏の中で、私たちの糧となる安全な野菜作りを努力されている生産者の方(吉川市の山崎さん)に「天変地異とも言える異常気象の猛暑」の中での、今年の夏野菜づくりをお伺いしました。

 「ピーマンを今年は300本植えましたが殆ど枯れてしまい、生き残ったのは10数本。ピーマンの最盛期の温度が上がりすぎて、着いた実はやけどで茶色く変色して腐っていきました。やっとついた豆粒くらいのピーマンも茶色く変色して腐りました。地這きゅうり(じばいきゅうり)という地に這って育つきゅうりも300以上蒔いたけど、やっときゅうりがなってもやけどで腐って、予定していた2割もとれなかった…。オクラは吉沢さんが『オクラの花が蕾のまま落ちて実にならない』と、消費者との懇親会で話していたけど、うちもそうでしたね。それにネギは猛暑の合間に降る雨でそのあと根がふかされて軟腐病が大発生しました。それにネギにつくイチモンジヨトウという害虫が大量発生して、この虫はそれ以外の野菜にも大量発生しました。お盆過ぎには今度はダニが大量発生して、ナスの葉を枯らしました。今までだったら、猛暑だと害虫の発生は暑さでおさえられていたんですが、今年は害虫が大量発生しました…。よく『除草剤を散布しつづけると、そこにはその除草剤に耐性を持った雑草が育ち始める』と言われていますが、虫も生きるために暑さに強くなってきて、夏の暑さの耐性を身に着けているのかもしれませんね。ニュースでは今年の夏は30℃越えの猛暑が90日超えたと言っていました。私も50年近く農業をしてきましたが、毎年毎年、段々に続けるのが厳しくなってきて、やはり今年の夏は、今までで一番厳しかったです」。

 私たちがレジェンドと呼んでいる群馬の宮田さんも「今年の夏は全滅だよ。朝晩水を撒いても枯れていった…。夏が40℃だもの(今年、最高気温で地名がよくでた桐生で農業をされています)、野菜は持たないよ。田んぼもチェーン除草で3回、手での除草で2回やったけど、それでも雑草に田んぼが覆いつくされて、今年の米の収量は例年の3分の1もないよ。秋野菜で定植したキャベツやブロッコリーも、植えてすぐに遮光シートで覆ってもシンクイムシが大量発生してやられた。シンクイムシも異常気象の中で生き残るために進化して狂暴になっているんさ」と話されていました。その状況の厳しさに私が言葉を失うと、「そんな難しくはないよ。除草剤を撒いて、殺虫剤散布すればいいだけさ」と、異常気象の中でも無農薬栽培を続ける難しさを笑われていました。

 
10月から、新規に宅配の募集をスタートしております。私たちの宅配は本気で健康を守りたい方々のために生まれた宅配です。このように苦労されながらも食べる人の健康を守る農家が集まり生命の糧となる野菜たちがご自宅に届きます。ぜひ、宅配で食卓と農家の未来をお守りください。

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