「夏野菜がだんだん出てきましたね。トウモロコシがやっと出て来てくれたので楽しみにしています。枝豆もモロヘイヤも美味しいですね」。先日の宅配の注文用紙に添えられていたコメントです。今年も生産者の方々の夏野菜があふれ出しています。きゅうり、なす、トマト、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、枝豆…。これらの夏野菜たちは、夏の暑さに対応出来るように私たちを夏に負けない身体へと変えてくれます。一例をあげますと、
・きゅうり→高温多湿の日本の夏、多量に水分を取り出す私たちの身体の中の水分の流れをつくります。尿分泌の促進と尿量の増加を促す利尿剤の役目を果たします。
・トマト→強い太陽の陽射しなどの活性酸素のダメージを受けやすい夏に抗酸化作用が強いので体内から身体を守ります。
・ピーマン→夏の日差しさらされる私たちの肌のメラニン代謝や脂肪代謝を促進し、コラーゲンの合成を助けます。
・ナス→コリンが胃液の分泌を促し肝臓の脂肪の蓄積や防ぎ弱った働きをたすけます。
・オクラ→高栄養価野菜で、オクラやモロヘイヤに含まれるネバネバには整腸作用や胃腸を守る作用があります。
その他、例えばゴーヤの苦みには夏バテの身体に食欲を増進させる作用があり、枝豆は夏のたんぱく源になります。それぞれの夏野菜はいろいろな形で私たちの身体を支えてくれています。夏野菜は水分を多く含んでおり、生食できるものが多く、身体を体内から冷やしてくれます。また、汗をかくと失われるカリウムを多く含む野菜が多く、また夏の暑さの中で、特に消費の激しいビタミンCや紫外線から守るビタミンAを含んでいたり、ネバネバ野菜は多飲により酷使される消化器系のサポートをします。またカラフルな野菜が多いのが夏野菜の特徴で、それらは抗酸化力が強く、色合いが食欲増進につながります。このように夏が旬の野菜は、私たちの身体に酷暑の夏を乗り越える力を私たちに与えてくれます。
夏野菜の効能について一例をあげましたが、いちばん大切な事は、ひとつひとつ野菜の栄養や効能を考えて選びながら食べる事よりも、その時々に豊富に出来る旬の恵みをいただく事が最も理にかなっているという事です。「げんきの市場」の店頭や「宅配の注文書」の中で、もし何人もの生産者の方が同じ野菜を出荷していたら、その野菜こそが私たちの身体に必要な野菜であり、「今はこれを食べとくといいよ。」という天の声と共に並んでいます。季節が彩る畑の恵みから献立をつくる台所こそ、自然界の慈しみがあふれたパラダイスです。