ご家族が難病の方が買い物に来られました。現在の西洋医学では手の施しようがなく、食事を見直そうと思い「げんきの市場」を見つけていただきました。その時、私は「げんきの市場」は長年佐藤先生を招いて健康講座を開催しており、病気を本気で良くしたい人のために宅配をやっている事をお話ししました。すると、すぐにでも宅配を始めたいという事になり、システム説明をして資料を渡したのですが、宅配を始めませんでした。しばらくたってから、その方が「げんきの市場」に来られたので、お伺いすると「生協のJAS有機の野菜セット」をとっていると話されました。普通ならこれで終わりですが、病気を治したいというその方の気持ちがとても強かったので、「JAS有機の野菜というのは無農薬野菜ではないんですよ」と話すと、その方はJAS有機の野菜=無農薬栽培だと勘違いされていて驚かれていました。JAS有機の農産物は「有機農産物の日本農林規格」に定められている以外の農薬や化学肥料を使用しない事や、それらが畑や施設、用具まで飛散混入しない事や、有機栽培された種苗を使用する事などで安全性を確保したものです。
農水省の「有機農産物の日本農林規格」で登録農薬を確認すると、38種類の成分が農薬として使用することが認可されています。さらに静岡県で発行している有機農産物の野菜の各品目ごとに使用が認められている農薬の一覧では、例えば長ネギにはBT水和剤、コニオチリウムミニタンス水和剤、硫酸銅など7種類、きゅうりにはミルベクチン水和剤、銅水和剤など17種類、トマトにはBT水和剤、オリフルア剤など27種類の登録種類名の商品がピックアップされています。JAS有機の野菜は化学農薬や化学肥料の使用には制限があり、人体への安全性や環境への負荷が少ない事は期待できますが、JAS有機の野菜=栄養価が高く、無農薬野菜が持っている価値をもっているとは限りません。
吉川市の名倉さんは今から8年位前に、JAS有機認証に興味を持ち、JAS有機の現地検査員の資格をとられました。そして、業務に携わった経験から、資格を取るための資料作成の莫大さと、その作成に係る必要時間やその経費に驚き、本当に必要なのは「栽培に対して真摯に向き合う姿勢」だとあらためて気づかれたとの事です。名倉さんは、今、ご自身の野菜に「名倉農園は1995年より農薬化学肥料不使用、自家製EM堆肥と完熟肥料で栽培しております」というシールを貼っています。
「げんきの市場」の宅配では現在、6名の地場の生産者が旬の露地栽培で無農薬無化学肥料の野菜を生産されています。またそれ以外の方も安全性を重視して栽培しています。それらは栄養価の面からだけでなく、最近注目されている無農薬野菜が持つLPS(リポポリサッカライド)という免疫細胞の働きを高める力や「サルベスト―ル」というガン細胞特有の酵素と反応し抗ガン物質に変化する植物由来の化合物の力が期待できます。また、そうした栽培は自然医学の森下博士は機能値(波動値→生命力)が高いことを実証されています。私が、お客様に「今、夢のような宅配をやらせていただいております」と話すのは、このような野菜を暮らしの中で生産する人たちが複数集まる中で野菜を届ける事できるからなのです。