私たちの生産者の努力を「食べもの」として生かすために…  野菜情報VOL.622 令和8/28~9/3

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 8月22日、気象庁は今年の夏の記録的な猛暑は「異常気象」であったことを専門家でつくる「異常気象分析検討会」を開き発表いたしました。そうした中、雹(ヒョウ)の被害で始まった私たちの地域の生産者の方々の夏野菜は、高温障害と水不足に悩まされた夏となりました。その状況を吉川市の山崎さんにお伺いいたしました。

 「全国的には豪雨被害が度々ニュースで報道されていますが、この地域はこの数年夏になると毎年猛暑に苦しんでいます。特に今年は雨不足がひどくて、高温障害は物凄かったですね。いんげんやトマトなどといった実がつく野菜が特に悪かったです。いんげんは夏野菜ですが高温に弱く、花は咲いてもいっこうに実にはならないで、全滅状態でした。それに雨が降ったら豪雨のようなどしゃ降りで、その雨が上がると今度は急激に高温状態でした。この雨の降り方が畑には一番良くなくて、畑の土が固くなってしまうんです。生姜の畑は地割れのまま、結局、芽は出てきません。ただ、茄子は『照りナス』と言われるぐらい暑さに強くよくなりましたね」

 その茄子を来年からは作付けをするのを考えていると話すのは越谷の石垣園芸さんです。「これだけ高温だと、茄子はなるにはなるのですがどれも皮につやがない『ボケナス』で…。選別するといくつも出荷できません。おまけにどの生産者も出荷するのは茄子だらけになってしまって…」。そんな石垣さんに「今年順調だった野菜はあるのですか?」とお尋ねすると、「まあ、モロヘイヤですかね。ただ、モロヘイヤは2回蒔き直しています。今出荷しているバジルは3回蒔き直して店頭に並んでいます」との事でした。

 吉川市の吉澤さんにも今年の夏野菜の状況をお伺いすると、「良くなかったですねえ…。トマトの木が雹(ヒョウ)にやられて全滅状態だったんですが、そこからまた枝が伸び始めたので、『蘇った、もしかするとトマトがとれるかも…』と思い、全部支柱を立てトマトの木に実がなるのをまっていましたが、花が咲いてもなかなか実がつかず、やっとトマトがなっても今度は割れてしまったり、鳥に食べられたりで、今年はトマトが一つもとることが出来ませんでした。つくづく俺はいったい何のために支柱を立てたんだろうと思いました」

 絶えず変わる気象条件や環境の中で、農業の世界はひとつの公式を運用する世界とは異なり、応用問題を常に敏速に対応することを求められます。そして、それが、異常気象の中という特殊な状況の中で、リスクヘッジとなる農薬防除を否定して土の力と作物の生命力を頼りに栽培を続ける「げんきの市場」の生産者の方々のご苦労は並大抵のものではありません。その中で、このように食べる人の事を思い、生命力豊かに滋味深く安全に育てた野菜たちを出来る限り、廃棄することなく「食べもの」として生かすことは出来ないかと、裏面の「オーガニック野菜の食品ロスをなくすお助け協力店」の募集をさせていただきます。ぜひ、ご一読いただき、参加してくださる方やお知り合いのお店をご紹介いただければ助かります。

 

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