四季の巡りの中で 「いただく」という文化を食卓から育むために…  野菜情報VOL.623 令和9/4~9/11

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 お客様がご自宅でつくられた山崎さんの白ナスのステーキの写真を見せていただきました。クックパッド(ネットの料理レシピコミュニティ)で調べて作ったとの事で、そのページをお客様に教えていただき、我が家でも作るとその美味しさに感動いたしました。

 産直グループで働いていた時、生産者との交流会で消費者の方が「『同じ釜の飯』ならぬ『同じ畑の仲間』」と挨拶されていました。「げんきの市場」に集うお客様も同じ地域の生産者の野菜で食卓の四季を彩る仲間として、それぞれの生産者の野菜を思う存分楽しんでいただけたらと願います。

 旬には「走り」と「盛り」と「名残り」があり、夏野菜の場合はお盆を過ぎると「名残り」の時期に入いります。「名残り」の野菜は種が目立ち始めたり、皮が固くなったり、筋張ってしまったりと、終わりをむかえて「盛り」の頃とは変化いたします。産直グループで働いていた20代の頃、野菜の集荷でおじゃました千葉の生産者のお宅で、「終わり旬だから食べていきな」といって、茹でた「いんげん」を短く刻んで甘味噌で和えたものをお茶うけに出していただきました。

 その時、旬の終わりをむかえた「いんげん」を「終わり旬」と呼び調理して大切に食べ切る農家の暮らしを知り、「いただく」という言葉の意味を教わりました。子供の頃に私たちが家庭科で習ったのは「いい野菜」の見分け方であり、私たちの文化は野菜を選別して良し悪しを区別するというものでした。しかし、千差万別の姿に実った野菜の中にこそ生命のぬくもりがあり、旬の野菜を最後まで食べ切る姿にこそ私たちの本当の「文化」と呼べるものがあるのではないでしょうか?

 「げんきの市場」で何度か料理教室をお願いした朝倉玲子さんは、「野菜を見てそこからどのように包丁を入れるか考える」とお話しされています。「同じ畑の仲間」として、その時々の旬の野菜を最後まで美味しく食べ切るために、野菜の様子に合わせた料理法を是非お試しいただければと願います。今の時代、ネットにはそれぞれの野菜の料理法がクックパッドを始め沢山溢れています。それにより、いつもの料理とは違った新たな「美味しさ」と出会うきっかけになるかもしれません。 

 

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