私たちが望んでいない添加物を避けるのが困難な食品表示 野菜情報VOL.603 令和4年4/10~4/16

 3月30日、消費者庁は食品添加物の「不使用表示」に対してのガイドラインを策定しました。そして、今まで使われていた「無添加」といった表示や、「○○不使用」と目立つ形で表示することが罰則を設けて規制をすることになりました。それにより、今後は「無添加」や「○○不使用」のような表示が消えていく事になります。

 今まで、これらの表示をするためのガイドラインはなく、虚偽でない限り販売する食品会社の判断に委ねられていました。しかし、消費者庁は「例えば原材料に添加物が使われていても、加工時に添加物を使わずに作った場合に『無添加』と表示した場合に『添加物を一切使用していない』と誤認してしまう」といった事例を指摘した上で、「何が不使用か不明確」として「無添加」や「○○不使用」表示を規制に乗り出すことになりました。

 ただ、そうした決定の背景に対して、食の安全問題に取り組んでいる山田正彦氏は、「消費者庁は『無添加』や『不使用』などと表示することで、『添加物を使っていない商品のほうが体によい』というメッセージを消費者に与えてしまうのはよくないと主張しています。こうしたルールを新設する背景には、添加物を使っている食品が売れなくなることをおそれる大手食品会社などの思惑があるのでしょう。」と、指摘しています。

 これまでも「使用されている添加物の『一括表示』」により、使われている添加物の内容が分からなくなるような「添加物表示の改正」が進められてきました。例えばパンの製造に使われる「イーストフード」の中に、毒性の強い「塩化アンモニア」やカルシウムの吸収を妨げる「リン酸」なども「一括表示」で含まれてしまい、使用されている添加物の実態が見えなくなるようになっています。同様に、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、調味料、豆腐用凝固剤、乳化剤、pH調整剤、膨張剤、乳化剤、増粘多糖類など様々な表示が「一括表示」が出来ます。

 その上、今回の策定により、消費者が添加物に対してNOを選択することがさらに難しくなりました。そして、それと同時に苦労をして、さらにコストもかけて食品の安全という価値を選び作っている食品製造者も、その事実を明瞭に消費者に伝える手段を失うことにより、そうした良心的な製造業者の経営が厳しくなることも予想できます。現実問題として、このままでは私たちの「食」の安全を守ることがより一層困難になりかねません。

私たちが調理する中で決して使わない「食品添加物」。それが「入っている料理」と「入ってない料理」が並んでいたとしたなら、私たちは間違いなく「無添加」の料理を選ぶのではないでしょうか。できるだけ食品添加物を避けたいと思っている消費者は多い事実に反して、益々避けることが困難な食品表示の策定は何のために進められているのでしょうか?

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