「安全が証明されないものは危険」のEUと「危険が証明されないものは安全」の日本 野菜情報VOL.593令和4年1/30~2/5

 昨年の野菜情報の中で、「報道特集」(TBS)が11月6日に放映したネオニコチノイド系殺虫剤の特集から、自然生態系や子供の脳にも影響する可能性を指摘し、広範性発達障害や自閉症の有病率との因果についての可能性を書いたところ、宅配会員の方から非常にショッキングなコメントを頂きました。

 「お世話になっております。今週のコラムも、とても興味深かったです。私は現在、保育士の仕事をしています。出産前に数年働き、育児の為十年程ブランクを置いて復帰してから、発達の気になる子が物凄く増えていて驚きました。ここ数年の間にも、年々増えていると思います。発達障害ではない子でも、常に興奮気味、不安感が異常に強いなどの子も本当に多いです。経済成長のために、多くの大切なことを犠牲にしていることが、こういった辛い現実に繋がっているということに一体どれだけの人が気づいているだろうかと、世の中の流れに疑問を感じてしまいます。子どもは社会の宝物、子ども達が口にする、保育園や学校の給食食材に有機農産物が使われるような社会になっていってほしいです。今週もよろしくお願いします。」

 2019年、学術誌「PLOS One」にミツバチをはじめとする昆虫にとって、米国の農業環境は25年前に比べて48倍も毒性が高いとする研究成果を発表しました。そしてその最大の原因としてネオニコチノイド系殺虫剤の使用を指摘しています。そして、その論文の共著者で環境保護団体「フレンズ・オブ・ジ・アースUS」の上級科学者ケンドラ・クライン氏は「ネオニコチノイド系殺虫剤は第2の『沈黙の春』です。ネオニコチノイドは新たなDDTのようなものですが、ハチに対してはDDTの1000倍も有毒です」。とインタビューで語っています。時代の変化と共に安全な農薬へと一見は進化しているように見えて、農薬の被害はより広くより深刻になっています。

 「安全が証明されていないものは危険とみなす」EUではネオニコチノイド系農薬7種類のうち6種類を販売禁止とし、1種類も厳格運用を義務付けています。それに対して日本では規制緩和が止まらないのが実情です。例えば、スーパーなどで一般に売られている農産物は農薬の残留量の上限(残留基準値)がそれぞれ決まっていますが、日本政府は2015年にクロチアニジンの残留基準値をホウレンソウは従来の13倍強の40ppm、シュンギクは同50倍の10ppmに引き上げるなど、段階的に緩和しています。

 ネオニコチノイド系農薬と共に、除草剤のグリホサート系農薬(ランドアップ)も日本国内では規制緩和が進められています。ラウンドアップ(グリホサート)が2023年から米国の消費者市場より姿を消すのにも関わらず、その規制が緩やかになっているのです。「危険が証明されないものは安全とみなす」日本では、健康は自らの手で守らなければなりません。

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