野菜情報VOL.770令和7年12/7~12/13
「健康」は私たち生命の円満な姿であり、それを身体という宇宙の中で育てる事は、同心円で地球の健康へと広げる事が出来ます。
その地球と同心円の「健康」とは「食・心・動・環(環境)」の4つの世界で育くまれます。
健康の土台となる「食」、中心になる「心」、そしてそれを促す「動」、さらにその根底となり循環する「環境」、それを自身の中で整えていく事により、自身の「健康」と地球の「健康」が「同心円」となり、育まれます。
この「食・心・動・環」の中で、実際、毎日の中で何をすればいいのか、私自身がよくわからないのが「動」です。
「食・心・動・環」の提唱者であり、げんきの市場で、長年、健康講座をお世話になった佐藤成志先生は、よくこの「動」に対して、「働きすぎは良くないが、怠けすぎはもっと良くない。心地よい運動が理想で、例えば太極拳のようなものがそうだね。」と話されていました。そこで太極拳の先生にお聞きしました。
太極拳の先生いわく「今、世間ではジムに通ってやる『無酸素運動』が流行っていますけれど、太極拳は体をゆっくり動かす『有酸素運動』で無理がなく、それがいいんですよ」。
「有酸素運動」とはウオーキングのように長時間継続できる運動で、運動中に筋を収縮させる為のエネルギー(ATP)を体内の糖や脂肪が酸素とともに作り出す運動です。また「無酸素運動」とはバーベルを使った筋力トレーニングなど短時間に強い力を発揮する運動で、筋を収縮する為のエネルギーを酸素を使わずに作り出すことから「無酸素」と呼ばれています。
そして、「まあ太極拳に限らず、例えば通勤の区間の1駅分を歩いて通勤するといったように、普段の生活の中で工夫して『有酸素運動』を行うのでいいんじゃないですか?」との事でした。この普段の生活の中で「動」を整えるという、素晴らしい示唆をいただき、私の目に飛び込んできたのが「最高の『入浴法』」という本でした。
この本はお風呂研究を20年、3万8千人の入浴調査してきた医学博士の早坂信哉先生が書かれました。その中で「お湯の温度は『1℃』の違いで効果がかわる」、「『半身浴』にほとんど健康効果がない」、「お風呂で汗をかいてもほとんど『痩せない』」など驚きの新常識を書かれています。そして、疲労回復に大事なのが「血液循環」と「自律神経」、それにその後の「睡眠」であり、その為の絶対条件は「湯舟」に浸かる事です。そしてさらに効果を上げる為に「5つのルール」を挙げています。
①温度は40℃
②「全身浴」で肩までつかる
③つかる時間は10分から15分
④入浴剤でリラックス効果アップ
⑤入浴後は温熱効果を逃がさない
の5つです。少しぬるめの温度(40℃)でリラックス効果や血流アップを高める入浴剤を入れた湯船に肩までしっかり10分から15分浸かり、入浴後は体を冷やさないようにします。入る時間は「就寝の1~2時間前」が理想で、何よりも大切なのは湯船に毎日入る事です。
早坂先生のチームが1万4千人弱の高齢者で調査した所、毎日湯船に入る人は3年後に要介護になるリスクが29%も低く、健康寿命を延ばすとも言えるとの事です。そして、「入浴こそ、一般の方が実践できる、最も優れた健康法」だと指摘されています。
