異常気象の中に育つ野菜たちに 思いを馳せて気付くこと 野菜情報VOL.618 令和4年7/24~7/30

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 7月12日、埼玉県に警戒レベル5(緊急安全確保)の大雨が降りました。生産者の方々の畑は洪水状態になり「さぞや大変なことになっているのでは」と思い、石垣さんに恐る恐るお伺いすると、「うれしかったですねぇ」と、意外な返事が返ってきました。そして、ご自身のツイッターにあげられた、雨が降る前の砂漠のような畑と翌日の雨で潤いを取り戻した畑を並べた写真を見せていただきました。

 山崎さんにも同じくお尋ねすると、「あれだけ一度に降ると、普段なら何日も畑には入れなくなるのですが、水分を全部吸い込んで次の日も問題なく入れました」との事でした。そして、「6月3日の雹を降らせた大雨で、花が咲き、実が付き始めた夏野菜の畑は全滅状態の大打撃をうけて、それでもやっと復活の兆しが見え始めたと思ったら、今度は史上最速の梅雨明けとそれに続く毎日の異常高温で、暑さに弱い夏野菜のキュウリなどの木は枯れた瀕死の状態でした。生姜を蒔いた畑は地割れ状態で、いくら水をくれてやっても発芽しなかったのですが、この雨で幾分息をついて、はたしてこれから持ち直すかですね」と、畑の状況を教えて下さいました。

 お二人のお話をお伺いして、私自身、つくづくこの異常気象の中で育つ野菜たちの姿が見えていない事を思い知りました。そして、野菜は工場の中ではなく、自然の中で育っているという当たり前の事実を再認識いたしました。40年近く有機農業を続けている吉澤さんが「毎年一年生のようなものです。毎回、良くできるか不安です」と、御自身の農業を振り返りそう話されていた事を思い出します。雨が降れば豪雨となるような異常気象の中で、栽培リスクを軽減する為の農薬を使わずに安全な野菜づくりを努力されている「げんきの市場」の生産者の方は皆、苦労を続けています。

「本当は危ない国産食品」(新潮新書)の中で著者の奥野修司氏はDDTの何百倍も害虫に効果のある浸透性(作物や食べた人の体も)で中枢神経に働く(人間の脳への作用も指摘あり)ネオニコチノイド系農薬がEUなど世界では規制の方向に進む中で、日本では世界でもまれなほど大量に使用している現実を書かれています。そして、そのネオニコチノイド系農薬を体内から除去する方法として北海道大学の池中良徳教授の有機野菜(有機商品)を食べ続けて体内の農薬を減らした実験を紹介されています。330検体で調べたところ、5日間食べ続けることで2分の1から5分の1まで減り、さらに30日食べ続けることで30分の1まで減りました。本書の中で奥野氏は「有機野菜に切り替えるだけでネオニコチノイドを体外に排出することも可能だろう」と指摘しています。

 インド、エチオピア、タンザニア、タイなど世界では、この20年間で有機農家は15倍以上に増えました。しかし、有機農業のパイオニア、日本は世界の100位前後にとどまり、農地面積は日本全体の0.5%前後に過ぎません。奥野氏は日本で有機野菜が増えない現状を「私たち消費者がピカピカで見栄えの良い農産物だけが安全な食べ物と思い込んでいる限り、日本の有機農産物はいつまでたっても増えないだろう」と日本人特有の美意識の弊害をあげています。有機野菜は虫がいたり、腐りがあったり、規格が一様でない等見劣りする場合もあるでしょう。しかし、この異常気象の中で、有機野菜の生産者の方々はリスクを背負いながら生産を続けています。その努力と異常気象の中で育つ野菜の姿に思いをはせ、そしてご家族の健康を守るためにも買い支えていただければと願います。その為に、私たち「げんきの市場」は「満足の保証」で皆様のリスクを全力で守ります。

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