小関さんが金賞を受賞した「ゆうだい21」というお米をご存じですか? 野菜情報VOL.744 令和7年3/16~3/22

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 長年「げんきの市場」がお米を頂いている山形県の小関恭弘さんから「『日本一のお米コンテスト in静岡』で、新しい品種『ゆうだい21』で金賞を取りました」との連絡が入りました。小関さんは無農薬無化学肥料栽培という安全性だけに留まらず、毎年のようにお米の食味コンクールで受賞されている、「げんきの市場」で人気の生産者です。そして、本年度よりこの「ゆうだい21」を「げんきの市場」で販売させていただける事になり、現在、店頭に並ばせて頂いております。

この「ゆうだい21」の特徴はまずはその粒の大きさにあります。コシヒカリと比較しても長径が圧倒的に長く、また口に入れると、独特の甘い香りが鼻に抜け、しっとりと濃密な粘りが印象的です。炊飯直後の粘りではコシヒカリの5.5倍、粘りが強いので有名なあのミルキークィーンの3.4倍と言われています(栃木大学調べ)。また、冷めてからも柔らかさが炊飯直後と変わらないというデータもあり、お弁当にも適していると言われている万能選手です。お米の食味コンクールが始まって以来、長年、品種に関しては「こしひかり」の独壇場でしたが、ここ数年は「こしひかり」と「ゆうだい21」で二分する状況が生まれつつあります。昨年、小関さんが参加された「日本一のお米コンテスト in静岡」でも応募者数567点の中から、TOP30の金賞が選ばれましたが、その中で「コシヒカリ」が15点、「ゆうだい21」が12点、それ以外が3点という結果でした。

この「ゆうだい21」は宇都宮大学の前田忠信名誉教授により誕生致しました。1990年、教授は栽培試験圃場の中で、明らかに他と異なる形状の稲穂を発見し、この株を継続して選抜試験にかける事に決めました。そして、毎年、良質な系統のみを選抜しながら、1993年に大冷害が起きた時は、それに耐え抜いた耐冷性の強い系統が残りました。2000年には、育種し続けていた良食味の系統の中で、穂の大きさが極めて大きく、草丈も10cm以上高いさらなる突然変異株が発見され、この株を増やしながら、味も形も良質なものが維持し続ける事が出来るようになり、2007年には農林水産省に品種登録申請し、2010年に「ゆうだい21」(品種登録番号 第18779号)と品種登録しました。発見から実に20年の歳月をかけて、国立大学で始めて新品種のお米が誕生したのです。

今回受賞された「ゆうだい21」について小関さんにお伺いすると、「実はこの新種を育てた栃木大学が私の出身母校でして、そんな縁もあってこの品種を作り始めたんです。『ゆうだい21』の90%が日本古来からの品種で、残りの10%がインディカ系が入っている為に粒が大きいんです。そして、一般にはコシヒカリやミルキークインのようにもちもち系のお米はアミロースというデンプン成分が低いんですが、もちもちしているのにもかかわらずアミロースがササニシキのように高いんです。コシヒカリやササニシキともまた違う今の時代に合った美味しさを実感出来ると思います。ただ、非常に稲丈が伸びやすく、倒れやすいので、栽培が難しく、それに朝晩の寒暖差がある地域でないと美味しくならない品種ですね。そう言う事もあり、コシヒカリを凌駕するような美味しさがありながら、殆んど知名度が低く、全国的に知られていないのが現状です。」との事でした。新たに加わった小関さんの有機栽培「ゆうだい21」、プレミアムなこの一品を是非お試しください。

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