舛田さんの奥様が全力の思いで作った「農家の嫁」の米粉 野菜情報VOL.727 令和6年11/3~11/9

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松伏町の自然栽培農家の舛田晃(ますだあきら)さんの奥様望美(のぞみ)さんが米粉の研究を重ねて、ご夫婦のお米で米粉を完成いたしました。品種は自然栽培に切替中の特別栽培基準で栽培されたササニシキです。パンも焼ける米粉の品種としては「ミズホチカラ」が一般的ですが、元々飼料米で、ごはんとして食べるのには適していいません。望美さんは「そのままごはんで食べても美味しいお米で米粉を作りたかったんです。自分も子供の頃アトピーで苦労していたし、グルテンの弊害も知っていたので…。元々パンを作る米粉は粘りの少ない品種が向いています。ミズホチカラもそうした品種でした。同じように粘りの少ないササニシキは米粉に合っていました。そしてそれに加えてお米の美味しさを実感できる米粉になりました。そして、唐揚げやシチューのルーなど小麦粉の代わりにどのような料理に使っても美味しい米粉です。今年、無農薬に挑戦できなくて無念な気持ちもありますが、無農薬でなくても私達の思いは全力で入っています」と話されています。

 パンをふっくらと焼くことが出来る米粉をつくる為に最も大切なのが、製粉する時の粒子の細かさだけではなく、いかに「でんぷん損傷率」を少なく製粉するかです。「でんぷん損傷率」とは製粉する時にお米に含まれるでんぷんをどのくらい損傷しているかの示す割合で、それが10%以下で製粉されていないと、パンを焼いたときにふっくらと焼きあがりません。望美さんのつくられた米粉は特別な製粉機でこの10%以下に抑えて製粉されています。一般に販売されている米粉の「上新粉」や、上新粉をさらに細かくした「上用粉」は「でんぷん損傷率」は10%以上なので、パン作りには適していません。また、最近は米粉がブームであり、色々な「米粉」が販売されていますがパッケージには一般的に「でんぷん損傷率」は記載されていませんので、その米粉がパン作りに適しているか知りたい場合はメーカーに直接確認する必要があります。

 望美さんは子供のころからお菓子作りが大好きでした。「10歳の頃には遊び感覚でクッキーを焼いていたんです。毎日焼いて、作り方も覚えて、次にはブラウニーをつくり、小学生の頃にはかなりレシピが増えていきました。中学生の時に引っ越しして長野の森の中に移ったので、小麦粉と砂糖1㎏をお菓子作り専用に買ってもらい、週末はお菓子作りに没頭しました。高校で畜産部に入ると、たくさんの牛乳でバターを作ったり、生みたての鶏の卵でケーキを焼いたりしました。カモの玉子でケーキを焼いた時、メチャクチャ美味しくて今もあの味は忘れられません」。そして、結婚されてからも3人のお子様とご主人の為にパンやお菓子を作り続けています。今、望美さんはインスタグラムで「農家の嫁の米粉おやつ」(@komeko831)というサイトをつくり、ご自身のおやつ作りの思いやお菓子やパンのレシピを公開しています。宜しければ望美さんの「ササニキ米粉」でチャレンジして下さい。ちなみにパッケージにはこのサイトへのQRコードが貼ってあります。

 望美さんは「ササニシキ米粉」を作った理由を「小麦アレルギーの方には貴重な食材ですし、グルテンフリーのメリットもあります。ただ、どちらの粉にも長所と短所はありますので…。私が米粉を使っている理由は単純で、自分が育てたお米や野菜を使ってお菓子やパン作りを楽しみたいからです」と話されています。皆様も「農家の嫁の米粉」を使って、米粉料理をお楽しみください。

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