猛暑の中で私たちの食卓を守る人たち 野菜情報VOL.722 令和6年9/29~10/5

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 納品に来られた吉川市の名倉さんが「秋野菜が全く育ちません」と、途方に暮れていました。

 今、昨年を超える今年の猛暑に、生産者の方たちは苦しんでいます。

 まずは名倉さんがご自身の野菜セットの中に入れている「やさいかん通信」から、一部抜粋をして掲載させていただきます。この異常気象の中でも無農薬栽培を続けている生産者のご苦労が良くわかります。

「この暑さ、昨年もトマトやピーマンが暑さで収穫不能になりましたが、今年はそれ以上ですョ。びっくり!!

 7月下旬から、キャベツ・ブロッコリー、8月に入ってそれに加えてサニーレタス、レタス、9月早々に、それに加えて、白菜・チンゲンサイと夜な夜なトレーに仕事場内で種を蒔いてきましたが… ほぼ全滅!!! こういう年はこの30年間で経験がありません!!どうしたらこの問題を打解することができるか… 考えあぐねているところです!はい!

8月は特に虫の産卵が活発ですので、種を蒔いた後のトレーはネットをかぶせます。そのネットも今までは1m/mメッシュでしたが、それでは最近では通過されてしまうため0.4ミリの目合のメッシュネットを使用しますが、今度はそれでは発芽した苗が耐えられない…という始末。メッシュの目合が細かくなればなるほど、もちろん風通しが悪くなるので、それだけネット内の温度も高くなるということですネ。今までは虫の被害からどう守るか…という意識でしたが、ここ2~3年は暑さ対策も加わり非常に難しくなっている…というのが現実です!」

 おなじく吉川市の山崎さんも「ブロッコリー・カリフラワー・スティックセニョール・キャベツも全滅しました。芽が出なかったり、定植したものは枯れてしまいました。水まきにも限界があります」との事。それに対して、私が「この暑さを考慮して作付けの時期をずらしたらどうなのか?」とお聞きすると、「まあ、秋冬野菜の定植を遅らせる事が出来るのはせいぜい1週間が限度ですね。作業がずれ込み、その後、順調に秋が来て冬になればいいのですが、秋を飛び越えて一挙に冬が来ることも考えられます。そうなると、作付けした野菜たちは今度はいっせいに成長が止まります。葉ものなら成長しないまま、キャベツなら結球しないままで終わる事になります。

今年はこの異常な暑さの中で雑草の成長が以上に早く、シンクイムシも異常発生しています。そのシンクイムシはハウスの中の育苗の中まで入ってきています。それに今まで見る事がなかった茶色い新種のカメムシが出てきて、これがすごい勢いで畑を荒らしています。イチジクの木もカミキリムシが入って木を枯らしています。草も虫も猛暑を生き延びるためにものすごい勢いですよ。」

 青森の伊藤農園さんからシュガープルーンと洋ナシの収量が例年の3分の1との連絡が入りました。状況をお伺いすると「昨年の猛暑でつく実の数が極端に少なく、それにりんごのふらん病がプルーンや洋ナシにも出ています。また、ガの幼虫が毎年増えて木の枝に入り枯らしています。」との事。

 まさしく猛暑は、生産者の方々に大きな打撃を与えています。

 ただ、それでも私たちの食卓には、安心して食べる事の出来る食べ物が届きます。生産者の方々のご苦労に心より感謝致します。

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