「令和の米騒動」と今年の米価高騰から危惧することは… 野菜情報VOL.720 令和6年9/15~9/21

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このところ毎日のように「そちらにはお米はありますか?」といった問い合わせの電話が入っています。また、宅配のお客様からも「お米大丈夫ですか?」と聞かれる事があります。「うちは3.11(東日本大震災)の時もお米を売り続けました。長年、生産者の方と直接契約してお米をいただいていますので、今の所、何も問題はありません」とお答えしています。しかしテレビでは「スーパーのお米売り場の棚からお米が消えた…」と、「令和の米騒動」とネーミングして、盛んに取り上げています。そこで言われている原因は、 

1 去年の猛暑と渇水の影響でお米の品質が悪く市場流通量が減ったため

2 訪日外国人の増加で米の需要が増加

3 南海トラフ巨大地震注意情報の影響で米  の備蓄が急増した

4 報道で米騒動を知った人が慌てて米を買いだめしている

といったものです。つまり「猛暑の影響で、昨年お米の全体(加工用の中米なども含めて)の収量が落ちた中で、インバウンドにより米の需要が増加し、そこに地震注意報により各家庭での米の備蓄が増え、そしてお盆とも重なり米の売り場が品薄状態になった。さらには8月は新米が始まる前の一番品薄の時期の為、すぐに売り場の品薄状態が変わる事がなかった。そして、その状態をマスコミが『令和の米騒動』として切り取る事により、その状態が加速した。」のが真相ようです。

 この影響により今年の新米はスタートしていますが、昨年より仕入れ価格は大幅に上がっています。今年の米は1993年の「平成の米騒動」の時のよう冷夏により作況指数が悪いといった状況ではない為、ネットでは「農林中金が外債で1兆5000億円の巨大赤字を出しており、JA農協が新米の価格を大幅に値上げする為に政府と組んで出荷調整をしているのでは…」という憶測まで流れています。その真相は分りませんが、戦後の減反政策で減り続けた米の生産量は、同時に米価も下がり続ける中で、農家の高齢化も進み、ここ数年、稲作を放棄する農家が急増してきました。そうした中で、今回の米価は日本の稲作を守る上で決して悪い事ではありません。お米の生産量を守る事は日本の食糧安保にとって重要です。ただ、この状況化で価格重視によりお米の安全性が落ちる事が危惧されます。それは精米時に精米改良剤を添加して作られる「新型プラスチック米」です。

 古米などを新米のような白い光沢のあるお米に変える為に「プロピレングリコール」という薬剤が使用されます。この「プロピレングリコール」は食品以外にも、車の不凍液や保湿剤の等の化粧品にも使われ、別名「液体プラスチック」と呼ばれています。その他にも古米を割れにくくする「リン酸塩」や甘味をつける合成甘味料「D-ソルビット」が精米改良剤として使われます。そして、それらは加工助剤としての使用名目であれば、表示する義務はありません。野菜情報では今まで何度も触れきましたが、米業界はJAも含めて商品偽装が繰り返し摘発されている業界です。今回の米価高騰という社会情勢の中で、いたずらに私たちが価格重視の選択をする事は、知らぬ間に私たちの健康を脅かす要因を選択する事にもなりかねません。今、私たちはメディアの情報を全てうのみにする事なく、食べ物や医療等あらゆる生活の場面の中で、生命を守る選択が求められています。

 

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