食品表示を明確にする事は、私たちの安全を守る上で必要不可欠 野菜情報VOL.715 令和6年7/28~8/3

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 「輸入原料で『国内製造』って何?正しい食品表示を求める市民の集い」(5月28日開催)にオンラインで参加致しました。今週はそのご報告いたします。現在、国内でつくられた加工食品には原料原産地表示が義務付けられています。消費者庁の調査では67%の消費者が原材料原産地名を参考にして商品を購入にしています。それを踏まえて制度化されました。そして、その対象になる原材料は、最も重量割合が大きい原材料が表示対象になります。一例を上げますと豚肉35%、トマト30%。人参20%、小麦粉15%で出来た加工食品の場合なら、35%の豚肉が対象です。この豚肉の原産地が例えば国産が25%、アメリカが10%なら、表示は「豚肉(国産・アメリカ産)」と重量割合が多い国名を先に記載します。

 この原材料原産地名表示で、最も重量割合が多い原材料が「加工食品」であった場合は、その「加工食品」の製造地を表示する事になります。パンの場合なら主原料である小麦粉、菜種油の場合なら主原料の菜種油がその場合該当いたします。この時の表示は、「小麦粉(国内製造)」、「食用なたね油(国内製造)」となります。これが問題なのです。今回の集いを主催した「食品表示問題ネットワーク」が昨年の秋に、この「製造産地表示」が原材料産地との誤解を招いていないか、原宿と阿佐ヶ谷でアンケートを実施したところ、「国内製造」という表現で「日本産」だと思っている人が31%、「輸入品」だと思っている人が35%、「どちらかわからない」と答えた人が34%でした。正解は「どちらかわからない」ですが、このような原産国の誤解を招く現在の「製造地表示」の是正を求める為、今回、主催者の消費者グループが消費者庁の職員や有識者を招いて意見交換をし、そして要望の提出を致しました。

 主催者である「食品表示問題ネットワーク」による、この日の消費者庁に対しての要望は以下の内容となります。「①原料原産地表示は、輸入原料であっても国内製造と表記されています。そのため多くの消費者が国内原料と誤解しています。国産品を食べたいと言う消費者の思いを裏切るばかりでなく、輸入原料を使用している商品があたかも国産商品を使用しているかの優良誤認をまねいています。現行の原料原産地表示は弊害が多く、そのため被害にあっている消費者が多数発生していることについて、消費者庁はなぜこの状況を放置しているのでしょうか?②消費者にとって弊害のある表示制度について改善していくのであれば、今後どのように改善していくのか、その内容、方向性を示してください」

 今、外国産の菜種は遺伝子組み換えにより殆ど生産されており、アメリカなどの外国産小麦は収穫前に除草剤のグリホサートを散布する為、残留農薬の危険が高まっています。そうした中で、消費者が分りやすい表示で、国産原料を選択出来る未来を作る事は大切です。

※写真は、げんきの市場の取り扱いのなたね油の原材料表示です。

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