山形の米名人の親子が手塩にかけて育てるお米の味 野菜情報VOL.700 令和6年3/31~4/6

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山形県で生まれた「雪若丸」は誕生以来6年間連続で特Aの最高ランクに輝く良食味米です。「げんきの市場」には、その「雪若丸」を無農薬無化学肥料で栽培している山形県の菅原義弘さんのお米が並んでいます。3月8日、その菅原さんが今年もお店に来て下さり、お話を伺いました。菅原さんは高校を出てすぐにお父さんの後を継いで就農されてから今年で8年目の若き農家です。

 「自分が米作りで一番に心がけているのは、安全性はもちろんですが、いかにおいしいお米に育てるかという事です。その為に自分の田んぼでは収穫を終えた後に微生物菌とその餌になる有機質の堆肥を入れています。そうする事で、稲刈りが終わった後の稲わらが分解されていき、春には稲わらが非常に栄養豊富な養分になります。微生物が豊富に繁殖している田んぼは稲へ栄養を送るのがスムーズになり、お米が美味しくなる為のミネラル分が豊富になり、さらに稲が健康に育つようになります。生育中の追肥も、ゆっくりと少しづつ栄養を与えて、稲がじっくりと美味しくなるように心がけています。この作業では20kgの機械に20kgの追肥を入れ、合計で40kgを背負って田んぼの中で散布しながら歩きますので、最後は足がプルプル震えています。

 JAS有機認証を習得している農家さんは全体のわずか0.22%しかいません。それがなぜかと言えば、『手間がかかる』の一言につきます。普通なら1~2回の除草剤の散布で済ます除草も、カモの力、機械除草、最後は人の手と何度も何度も必要になります。また化学肥料なら簡単に成長する為に必要な成分が入っていますが、土の中の微生物から始まる『食物連鎖』の豊かな生命圏が確実に壊されていきます。自然の力で、自然が豊かになる農業を続けるのが私たちの農業なのです。

 昨年から稲作について日々勉強している『稲株塾(とうしゅじゅく)』に入塾しました。そこでは稲の生態にあった栽培技術や効率的な作業技術等の目から鱗が落ちるような知識が学べます。ただ、わかる事が増えていく一方で、わからないこともまた増えていっています(笑)」。

 そんな菅原さんのお父様の菅原弘行さんからピロール農法で育てた特別栽培基準の「はえぬき」を、今年より分けて頂く事になりました。前に義弘さんが「げんきの市場」に来られた時に差し上げた「ピロール農法」の冊子を、お父様の弘行さんがご覧になり、「弱アルカリ性、高カルシム、しかもラン藻の働きで農薬を使用しても生産されたお米は残留農薬がゼロになる」という事を知り、福井県の石塚さん(げんきの市場がピロールの無農薬米をいただいている)とも連絡を取り合い、今年はじめてチャレンジをされました。

 菅原義弘さんのお父様の弘行さんは山形県庄内地方で無農薬無化学肥料の合鴨農法をずっと推進されてきた生産者で、小学5年生の教科書に「おいしいお米をつくる達人」として紹介されています。そしてその中には弘行さんの「庄内平野は風が強く、苗が土から抜ける事がります。その為、風が強い時には田んぼに深く水を張り、苗が揺れないようにしたり、風がやんだら水を抜いたりして、水の量を調整する必要があります。気候に合わせて作業する事は大変ですが、米づくりには大切な仕事です」というコメントが載っています。

 「げんきの市場」に届いた弘行さんの玄米は良く膨らみ充実した米粒で、達人の美味しいお米でした。義弘さんの「雪若丸」と同様に弘行さんの「はえぬき」も、ご愛顧をいただければと心より願います。

 

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