食糧危機に「コオロギの食料化」の選択から考えること 野菜情報VOL.651 令和5年4/9~4/15

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 先日、配達にお邪魔した宅配会員の方が「コオロギが入っていても表示義務がないんですって。遺伝子組換えも表示義務がなくなるし、ますます何を選べばいいのか…」と途方に暮れていました。

今、来るべき食糧危機の対策としてコオロギの食料化が日本の国内で急速に進められています。

  無印良品ではコオロギパウダーを入れたチョコレートバーを販売し、徳島県では学校給食にコオロギ粉末を入れた南瓜コロッケが出されました。

また、「Pasco」で知られる敷島製パンでもコオロギパウダーを配合した「Korogi Café」(コオロギカフェ)の生産を始めました。

また、1月26日のヤフーニュースではNTT東日本の昆虫食ビジネスへの参入が伝えられています。

このような状況にSNSでは、中国の古い漢方医学大辞典(本草網目拾遺 第14冊)にはイナゴや蜂の子など昔から食用にしてきた昆虫には「毒」の記載はないが、コオロギには「微毒」との記載があり、妊婦には「厳禁」の記載があると指摘しています。

また、2018年の内閣府の食品安全委員会でも、コオロギ食について「(1)総計して、好気性細菌数が高い。(2)加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される。(3)昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー原性の問題がある。(4)貴金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある。」と注意喚起をしています。

パンダが笹の葉を食べコアラはユーカリの葉を食べるといったように動物には食性というものがあります。

牛や馬は草を食べて生きる草食動物であり、ライオンは肉を食べて生きる肉食動物です。

かつて、草食動物の牛に肉骨粉(肉食)を飼料として食べさせたことにより未知の病であった狂牛病という病気の発生を招きました。

今、コオロギ生産がしやすく高蛋白質であるとして次世代の食料として注目を集めていますが、私たち人類が長い歴史の中で食べて来なかったコオロギを単純に食糧危機のために食べろというのでは、多くの方が疑問を持つのではないでしょうか?

「天保の大飢饉」の時、二宮尊徳はいち早くその事を予測し、村民にヒエを植えさせて一人の餓死者もださずに村民全員を救いました。

私たちの日本は古(いにしえ)より「豊芦原の瑞穂の国」と呼ばれている稲穂が豊かに稔る国土です。

今こそ、稲を中心に気象異変に強いヒエやもちきび、もちあわなどの雑穀を含む穀物の生産を食糧危機への対策として推進していくべきです。

 

 

 

 

 

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