何処で買っても変わらない?今週は秋の味覚キノコをフォーカス 野菜情報VOL.627 令和10/9~10/15

  • URLをコピーしました!

 「げんきの市場」でキノコの前で足を止めたお客様に呼び止められ、「スーパーで売っているキノコと何処が違うのかしら?」と尋ねられました。以前、お客様同士の会話の中で「キノコはどこで買っても同じだから安いスーパーのものでいいのよ」と話されているのが聞こえてきました。野菜などと違ってキノコはJAS有機認証から除外されているので、同じような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?そこで、今週の「野菜情報」はキノコにフォーカス致します。

 椎茸は現在、原木栽培と菌床栽培がありますが、殺虫剤・殺菌剤どちらも使用する農薬が農業資材として一般的に販売されております。また、それ以外にもホルモン剤や栄養剤も同様です。「げんきの市場」の取り扱いしているものはそれらをもちろん使用されていませんが、様々な化学薬剤が現在農業資材として販売それている以上、その使用は一般流通の商品全てとはいいませんが否定できません。私たちが持つキノコが自然に育つものというのは幻想にすぎないのです。また「知らずに食べるな!『中国産』」(2007年刊宝島社)という雑誌では「1年水に浸しても腐らない!中国しいたけ」という見出しで、建築現場に使われシックハウスの要因としても知られている殺菌剤が、防腐剤代わりに細菌やウイルスを殺す目的で農薬として使われていると書かれています

 椎茸以外のえのき茸、なめこ、ヒラタケやそれ以外のキノコ類も元々菌体ですから、雑菌に生育中に競争で負けてしまうことがあり、主にベノミル剤とチアベンダゾール剤と呼ばれる2種類の殺菌剤が使用されています。ベンノル剤はオーストラリアで胎児の先天性異常や薬害による訴訟が相次いで、ついに使用禁止になり同様にEUやアメリカでも現在は使用禁止になっています。チオべンダゾールに関しても、動物実験の結果から成長阻害や、血液・肝臓への障害が発生するリスクが報告されアメリカ環境保護庁からは「発がん性」のある農薬、環境ホルモンとして影響を及ぼす農薬として挙げられています。すでに海外は無農薬でないきのこは「毒」であるとし、健康志向な人たちの間では、「避けるべきリスト」の中に入っています。

 このように一般的に販売されているキノコ類は化学薬剤などの使用を否定できませんが、「げんきの市場」の取り扱いしているキノコ類はすべて圧力や熱殺菌することにより安全性を保っています。キノコは善玉菌の親である「酵母」やペニシリンなどの治療剤の基になる「カビ」と同じ真菌(しんきん)に属します。真菌は生物を分解しエネルギーを生み出して成長します。そして、それにより地球の生命圏の循環は保たれているのです。また、人間は母親の体内から生まれた直後に産声を上げるのと同時に空気中にある真菌を体内に取り入れる事により、「真菌」が免疫細胞とつながり免疫システムが稼働するきっかけになります。このように真菌は人間の免疫力をあげるうえで極めて重要であり、体内に常に真菌を取り入れていくことが基礎免疫を築くことには欠かせません。

「菌」という漢字は訓読みでは「きのこ」と読みます。このようにキノコは「真菌」そのものであり、腸内の中で善玉菌を増やすのには欠かせない食物繊維に身を包んだその「善玉菌」の固まりです。「菌活」、「腸活」という言葉で、Bグルカン、オルチニン含有量、豊富なギャバや食物繊維など機能的な部分でもてはやれているキノコですが、地球の「循環」と人間の「免疫」になくてはならない植物なのです。今、市場では一年中出回っていますが、キノコの本来の旬は秋です。食欲の秋、安全に栽培されたキノコをもりもり食べて、来るべき「冬の寒さ」を乗り越えてください。

 

よかったらシェアしてくださいね!
  • URLをコピーしました!