「季節が巡る食卓」野菜情報VOL.566令和3年7/11~7/17

 

生産者の方々の夏野菜が最盛期を迎え、「げんきの市場」では夏野菜が並びきれないほどにあふれ出しています。そしてこの夏野菜の到来は、毎年、6月のきゅうりの初荷からスタートします。きゅうりは別名カッパとも呼ばれ、水との相性が深く、その成長には潤沢な水が不可欠です。そして、梅雨に入る夏の走りの時期に夏野菜の一番手として登場致します。

梅雨に入り、高温多湿の気候な中で、水分の摂取量が多くなりだした私たちの身体は水分をまだうまく発散させることができません。そんな時にきゅうりは尿分泌の促進と尿量の増加を促す利尿剤の役目を果たします。同じようにナスもトマトも枝豆も南瓜も夏野菜はそれぞれ、私たちの身体を夏に働く身体へと整えて夏を乗り切る活力を与えます。このように旬の野菜は四季のある日本で暮らす私たちの身体に深く結びついています。

この「食卓の上に四季のリズムをのせること」を、育種家の藤井平司氏は「台所大事」という言葉で表しました。本来、春は「張る」(おなかが張る)で繁殖期、夏は「菜津」(菜が津々あふれる)で成長期、秋は「空き」(アキ)で蓄え期、そして冬は「火湯(ふいゆ)」(暖身)で冬ごもり期である事を、それぞれの呼び名が意味しています。そして、私たちが暮らす風土を巡る季節に育つ野菜を食べる事は、その四季折々の中、最前線で家族の健康を守る事なのです。

近年、外食や食卓を含めてかなりの食べものが工場で加工され、また調理されるようになっているのが私たちの「食」の現実です。ただ、そうした「企業利益のために工場でつくられる食品」と「家族の健康を思いつくられる食事」とは違う方向に向かっているように思えてなりません。

食事をつくるということは祈りの一つの形である    辰巳芳子

辰巳芳子さんは常に「食」と「いのち」に向き合う料理家ですが、食事をつくるという行為そのものが「愛を表現する姿」であることを突き止めています。そして、季節の訪れの中で生きる私たちに「あの美味しさを待つということ」という、滋味深いお言葉を語られています。私たちには幸運にも四季折々に丹精込めて育てられた野菜を届けていただける生産者の方々がいます。それらの野菜たちとの再会を待ちながら、再び、あの美味しさに出会います。そんな素晴らしい日常の中にある喜びを未来へ残すことが出来ればと心より願います。

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