日本全国の生産者が   この天変地異の中で        ご苦労をされています 野菜情報VOL.763 令和7年9/21~9/28

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 青森の伊藤農園さんから、今後のりんごの出荷予定がFAXで届きました。どの品種も「出荷予定量は少なめ」と書かれています。そして、その予定表には青森でのりんご栽培の状況が、今、いかに厳しくなっているかが書かれていました。最初にその文章を掲載させて頂きます。

 今年は青森県の収穫量予想で約37万トン。これまでの平均50万トンより、かなり少なく、昨年の38万トン並みの収量減となりました。統計をとり始めてから2番目の少なさです。我が家でもかなり少なくなりそうな状態で、申し訳ありませんが高めの価格でお願いします。熊、猛暑、水不足、農家の激減による人手不足等でりんごも減少傾向です。加えて今冬は大雪で木がたくさん倒れ、枝が折れ、その伐採作業が追い付かず、選定をあきらめた木も多数あります。山手側の開墾した40aのりんご園は、倒木で機械も入れず放置したままです。結局、ここは廃園にする事にしました。さらに肥料、農薬、農業資材等や人件費上昇もあり、コストの上昇が大変なことになっています。農機もこの2~3年で20~30%も上昇しました。

 7月の初めJAS有機栽培の生姜を頂いている高知の「ゆうきのもり」の大森さんから「誠に申し訳ございませんが、根生姜が切れてしまいました。」と、連絡が入りました。昨年の令和6年は、今年と同様の空梅雨と猛暑で高知県の生姜栽培は記録的な不作でした。大森さんは「産地全体では実に7割減の状態です…。」と、その絶望的な状況を話されていました。その後、また大森さんから連絡が入り、今年の新生姜を早めに掘り起こして出荷していただける事になり、現在、テレサファームさんのJAS有機新生姜が店頭に並んでいます。しかし、今年も同じような猛暑である事を思うと「新生姜の早堀り」で解決できる問題ではなく、そのご苦労は想像を超えるものです。

 私が「げんきの市場」をはじめてからずっと週2回トラックで届いていた千葉の村悟空(村悟空の代表の嶋田さんは『あいのう』時代の仲間の生産者です)からの野菜が(ミニトマト、キュウリ、大葉、パセリ他)がストップしたままになっています。事務局の滝沢さんに現在の状況をお伺いすると、「とにかく異常な暑さの中で、ハウスの中に外気を入れる取り組みや色々な暑さ対策をしているのですが、それが効果を発揮する事が出来ない程の猛暑で、どの生産者も苦戦しています。さらには夜の温度が下がらないので、主力出荷野菜のミニトマトやキュウリの花が咲いても実が付かず落ちていっています。このような状態がもうここ3~4年続いていて、5年前の生産量をと比べると実に7割減近くになっているんですよ。消費者の皆さんには野菜が切れてしまってご迷惑おかけいたしていますが、生産者の苦しい状態をご理解いただければ助かります」との事でした。

 野菜情報VOL.761,VOL.762と2週間にわたり、私たちの暮らしの中で生産されている生産者の方々を中心に今年の猛暑の中でご苦労されている状況をお伝えしましたが、今、日本全国の私たちの食卓を守って下さっている生産者の方々も、この天変地異の中でご苦労をされています。レジェンド宮田さんの「『天意が働いている』事に気付くべき」という言葉を私たち一人一人の胸に刻んで、お金では計れない「いただく事の喜び」をもう一度、暮らしの中で育んでまいりましょう。

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