東北秋の風物詩 芋煮

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愛は農園にある。
    第九葉 ここさんぽ 中川ゆか

 夏野菜の収穫が一段落した畑では、里芋の葉っぱが秋空に向かって元気に伸びています。そんな里芋を使った芋煮をご存じでしょうか?東北で秋に楽しむ鍋料理です。

 里芋がおいしくなる秋、家庭で芋煮を作るのはもちろんのこと、家族や友人と河川敷に鍋を持って行って料理し、わいわい食べる芋煮会を楽しみます。地域や学校、職場のイベントでも芋煮会はお花見と並ぶ定番です。スーパーが秋に販売する芋煮の具材と薪のセットでは大鍋やござのレンタルもあるので、たくさん人が集まっても安心。みんなで河原の大きな石を積み上げてかまどを作れば、秋風の気持ちいいキッチンができあがります。

 芋煮の温かい汁を飲むと体の中から温まり、ほっとした気持ちになります。また、焦げたり生焼けだったりの心配もないので、気楽に調理することができます。大鍋でたっぷり煮込むので、出来上がりの順番待ちになることもありません。たくさん作った方が料理はおいしくできるのに加えて、自然を感じながら仲間と食べるとさらにおいしいですね。

 薪を燃やした火で調理するということも大切な経験です。ガスを使えば手軽に調理することができますが、ガスや石油などの化石燃料は、何億年も前に生きていた生き物たちのなきがらからできたものです。化石燃料は残り少なくなっており、使い切ってしまったら数億年待たなければなりません。一方、同じく燃料として使える木は、太陽の光でどんどん育ち、身の周りですぐに手に入ります。身近にある木を使った火のつけ方を覚えておくと、どんなときでも温かいものを食べたり、明かりを灯したりできるので心強いです。

 11月、東武動物公園駅にある農業体験施設「新しい村」では、水と緑のネットワークが、野草保全地の草刈りの後、芋煮をふるまってくれます。掘りたての里芋を使っていて、とてもおいしいです。子どもたちは、「毎日来たい!」というほどで、秋空の下の作業と芋煮を大好きになったようです。新しい村では野菜や総菜の直売所、カフェ、小川、井戸、田んぼ、手仕事ワークショップ、コンサート広場、バーベキュー場、緑のトラスト保全地など、人と自然と農がつながる空間がいっぱい。越谷からアクセスしやすいので、ぜひ多くの人に遊びにいってもらいたい場所です。草刈りと芋煮を楽しむ会は今年も開催されます。一汗流して秋の味覚を味わう素敵な秋の一日をどうぞ。
 
*越谷で芋煮会の練習をしています。〆はカレーうどんです。

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