大人数でも食器に困らない 葉っぱのお皿の身軽な豊かさ愛は農園にある。 第八葉 ここさんぽ 中川ゆか

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 7月は映画『マイクロプラスチック・ストーリー』の上映会を行いました。NYの小学生たちの使い捨てプラスチックを減らすアクションのドキュメンタリーです。上映会のときに、使い捨てプラスチックを使わないワークとして、おやつの量り売り体験を行いました。参加者に容器を持参してもらいましたが、容器がない方にはうちの庭の木蓮の葉っぱをプレゼントして、写真のようにお皿として使ってもらいました。緑が映えてごちそうに見えますね。

 日本でいちばんロマンチックな場所とも呼ばれるパーマカルチャーの聖地、シャンティクティ。長野県安曇野にあるドネーション制のゲストハウスです。一昨年の秋にシャンティクティに泊まり、有機田んぼの稲刈り、はざかけをしました。稲刈りの昼休憩には、甘い豆のおこわに、ごま塩を振って食べました。おこわのほっこりした甘みにピリッとした塩気がおいしかった。おこわ用に配られたお皿が、朝のうちに洗って乾かしておいた木の葉です。おこわをよそった葉っぱごと口元に運べるので、疲れていても楽々ご飯を食べられます。お箸もいりません。食べ終わった後、葉っぱはまた使えるからポケットに入れておいてねと言われました。折りたたんでポケットに収まるなんて、こんなに軽くて運びやすいお皿があるでしょうか。使わなくなったら、どこの草地にでもそっと還すことができるんです。なんて身軽なんでしょう。田んぼ作業の休憩やBBQなど、野外の食事で人がたくさん集まると、食器が足りるか心配になることがあります。ですが、周りをよく見渡せば、自然が十分な恵みを与えてくれているんだと、目の前の自然の豊かさに気づいた体験でした。

 普段の暮らしの中でも葉っぱを使う料理があります。春の桜餅や初夏の柏餅、秋の柿の葉ずし、冬の朴葉みそ。もみじ、松葉など季節のあしらいは目を楽しませてくれます。
 こんなにあざやかな彩りや香りを与え、携帯性に優れ、保存性を高めてくれる容器が他にあるでしょうか。地域の葉を使えば製造・輸送・使用・廃棄、全ての過程で環境負荷0。普段の食事やお出かけ先の食器に、もっともっと葉っぱを生かしていきたいですね。
 酷暑の中でも、植物たちは太陽エネルギーを栄養に変えてどんどん葉を茂らせていきます。しばらく雨が降らないときは、米のとぎ汁を分けてあげましょう。きっと喜びます。
 
*シャンティクティ推薦の『お金のいらない国』著者の落語お話会を開催します!ヒノキが清々しい能楽堂にぜひお越しください。落語の後夕暮れの花田苑散歩もおすすめ。

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