普段の生活の中で、アルカリ性体質になる食事を摂る事が病気にならずに健康に生活する秘訣だと指導されている医学博士がいます。歯科医師の小峰一雄先生です。小峰先生は今から45年前、開業して間もなく、歯を削るとかえって歯がダメになる事実に直面し、以来「歯を削らない、抜歯しない」歯科医師に転向されました。そして、「虫歯が治らないのなら虫歯にならない方法をアドバイスする歯科医師になろう」と、そこから研究を重ね独自の予防プログラムを開発し、その中で虫歯は食事療法で自然治癒できるという結論にたどり着きました。そして、その中で虫歯治癒をするための食事療法を続けてもらうと、肌荒れや便秘などの様々な体調不良が改善したという声が届くようになり、徐々に「病気やガンが治った」という声まで届くようになりました。
先生のその治療の中で重要視されているのが、唾液のPH(ペーハー)の検査です。PHの数値は0から14まであり、真中がPH7が中性で、これより低ければ酸性、高ければアルカリ性に傾いていることになります。唾液には2種類あり、食物を食べている時に出る「大唾液腺」から分泌されるものと、常に口腔粘膜やのどの粘膜にあり、食事とは関係なく口の中を常に潤している「小唾液腺」があります。この「小唾液腺」から分泌される唾液は体液(間質液)に近く、この唾液のPHが体全体の状態を表していると考えられます。人間の血液のPHの正常範囲は7.35~7.45で、通常は7.4辺で維持をして健康を保っています。そして、博士はこの唾液PHを長年測定した中で、体が酸性体質に傾く事によりどのような事が起こっているのか見えてきました。
酸性体質になると白血球の働きが悪くなり免疫力が低下します。また、アルカリ性へと中和させるために体内のミネラルを大量に使います。するとミネラルと一緒にとる事で働くはずの栄養素がうまく作動しなくなります。そして栄養素のバランスが乱れる事で、糖尿病や通風、脳卒中、動脈硬化、ガン、認知症等さまざまな生活習慣病を発症させるリスクが高まります。実際、小峰博士のクリニックでも、PH7.0以上(アルカリ体質)の方は健康な方が多い一方、7.0未満の低PH(酸性体質)の方は有病率が高い傾向になっています。そして、さらに低くなりPH6.2以下になるとガンの患者さんが増えていき、PH5台になると博士の経験上、殆んどの方がガンを患っています。
小峰博士のクリニックでは長年にわたり患者さんに対して食事アンケートを行い、患者さんの食生活と唾液PHの関係を分析してきました。そして、その結果わかったのが、「アルカリ性食品を摂取している人ほど、アルカリ体質である」という事です。これはまだ世界の標準ではありませんが、すでにヨーロッパの医学界では食事によってPHは変化するという考えが支持されています。ただ、アルカリ性の食事をとる場合、食品自体ではなく、体内に入った事を想定して計測した時にアルカリ性である事が大事です。例えば梅干し自体は酸性ですが、食べて体内に入るとアルカリ性に変わります。その食品を完全燃焼させて灰にすると体内で変化したPHに近い状態となります。
アルカリ体質の作り方が気になる方は、ぜひ、小峰博士の「免疫が上がるアルカリ体質になる食べ方 すべての病気の原因は酸性体質にあった!」(2022年刊 株式会社ユサブル)をご一読下さい。私たちの主食をピロール農法米にする事は、手軽にアルカリ体質を維持する為の一歩になります。