「日本一のトマトへの思い」野菜情報VOL.551令和3年3/28~4/3

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埼玉県春日部市内牧   金子トマト園 金子健蔵

「げんきの市場」で、毎年、大人気のトマトを栽培している金子トマト園さんを動画の撮影でおじゃま致しました。現在、春日部市で2000坪の敷地に16棟のハウスを建て栽培をされている金子さんはトマトづくり48年のトマトの匠です。

一般のトマトの糖度は5度程度ですが金子さんのトマトは6~7度あります。そこに酸味と旨味のバランスが加わり、さらに歯ごたえがある肉質の小玉サイズの完熟トマトです。「毎日食卓にあげても飽きないトマト」が金子さんのつくる理想のトマトの姿なのです。

金子さんは長らく一般的な地床栽培をしていましたが、何年トマトをつくり続けても思ったようなトマトはつくれませんでした。「誰にも負けない美味しいトマトをつくりたい」その思いの中で研究を重ね、メロン栽培技術にヒントを得て、5~6年間の試験栽培の末、「ベンチ栽培」による独自のトマト栽培を確立しました。「ベンチ栽培」はプランターの中にパイプを通してもみ殻と肥料設計された土を入れ、そこでトマトを育てる栽培管理です。

「肥料だけ良いものを入れてもダメ。与える水の量や温度、湿度全てを総合管理出来ないとこの味にはなりません。パイプは潅水管理だけではなく、土の温度が下がった時はお湯を流し土壌温度を維持します。トマトの木の1本1本、葉の1枚1枚の様子から状態を見極める力が必要です」(金子さん談)

この「ベンチ栽培」は収穫期間を終えた後に60~80℃の高温蒸気による土壌消毒をすることにより連作障害を防ぐことができ、また水分を制限して葉の樹勢を抑えるので風通しもよく病害虫の発生も少ない栽培技術です。また、ハウスのサイド換気に防虫ネットを使用し害虫の飛来を防いでいます。「収穫前までは規定内の農薬散布はありますが、収穫期間中は農薬を出来る限り使用しない栽培管理をしています。」との事です。

 トマトの「ベンチ栽培」を確立した後、金子さんは新聞・雑誌等、多くのメディアへ取り上げられ、2010年にはNHKの「産地発 たべもの一直線」という30分番組でトマト作りへの思いを語りました。金子さんは「ベンチ栽培」に挑んだ当時を振り返り「自分自身の可能性を試す気持ちで、トマト作りのプロ中のプロになる事を目指しました。喜ばれ、感動がある日本一のトマトをつくるという目標があったんです」とその頃の事を思いだしています。

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