あいさつ

2011年3月11日午後2時46分、私たちの時計が止まりました。それまで当たり前だと思っていた未来がなくなったのです。

多くの方々が生命を失い、家族を失い、家を失い、故郷を失い、何もかもを失い、不安の中で明日を見つめています。

そして、私たちの社会は、放射能により、安心して吸うことのできない空気や食べものを子供たちの時代に残そうとしています。

私たちはこの不安感や喪失感の中でどのような未来を再びつなぎ合わせるべきなのか、選択を迫られています。

その時まで、欲望のまま生きることが人間の本来の姿だと思っていました。経済効率は私たちの万能のものさしでした。そうした生活、当たり前に訪れる日常は、永遠の繁栄を約束してくれると思っていました。

今、わたしは切実に願っています。地球の多くの生命とともに生きていける未来を。大自然のその美しさの中で、生命が豊かにみのり、潤い、そして循環していける地球を、子供たちに残したいと願っております。

そのために私たちが毎日の生活の中で、自身の変化や行動により、最も効果的に未来を創造していくための「未来への5つの立て直し」を提言いたします。

それぞれの社会生活の中で、決して完璧を目指すのではなく、心のベクトルをその方向に向けて毎日を改善するだけで、確実に未来は変わっていきます。