山形訪問記VOL.2    小関さんのお米の味の原点とは… 

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野菜情報VOL.760 令和7年8/24~8/30

 7月29日、30日の2日にわたり山形県の生産者に会いに行きました。今週は米沢市で営農されている小関恭弘(こせきやすひろ)さんをご紹介致します。小関さんは山形県の土着菌農法研究会(若林さんも会員のお一人)の代表をされており、「げんきの市場」をスタートした当初から、お米を分けて頂いている生産者です。昨年は、コシヒカリ、ササニシキ、つや姫、ゆうだい21の4種類のJAS有機栽培のお米を分けて頂きました。私がよく小関さんのお米の事をお客様に尋ねられると、「私の中では日本一のお米の生産者です」と、お答えさせて頂いています。それは数々の食味コンクールでの受賞経験に留まらず、玄米として食べた時の食味の良さ、1年を通して変わらぬ食味の安定感、そして「農業に対する志の高さ」など、心から尊敬させて頂いているからです。

 今、小関さんは山形県で「参加型保障制度」(PGS)をスタートさせる為に努力されています。「参加型保障制度」とは、地域に焦点を当てた品質保証システムで、生産者と消費者、流通業者、加工事業者、栄養士、食育アドバイザー、野菜ソムリエ等、様々な立場の関係者が協力して、PGSメンバー自身で栽培基準やその遵守を確認する方法を決めていき実行する認証制度です。JAS有機は第三者認証であり、その点が大きく違います。そしてこれによって有機農業を核とした地域づくりを進め、食の安全に関心を持つ人々や事業者を増やし、地域の自然環境が保全されていく事を目的としています。そして小規模農家の有機農業者を増やす仕組みであるとも考えられています。「今年の秋にまでには具体的にしていきたいと思っています。今、色々な方に参加を呼び掛けていて、ただ、この認証の基本はボランティアでやって行きたいと思っていますので、今のところ学識経験者の参加が中々難しいですね。JAS有機は元々、流通の為の表示の規格であって、企業の為のツールとして作られました。なので、このJAS有機を取得する為には、膨大な管理資料の作成や高額な費用がかかります。そうした問題点をPGSはクリア出来ます。簡易に小規模有機農業者を増やすことが出来きて、何よりもJAS有機では殆ど謳われていない『自然環境の保全』を目的に出来るんです」

 博識な小関さんに「『げんきの市場』がお付き合いさせて頂いているオーガニックの生産者の方々が『一人農業』になっていく中で、日々の仕事に追われていて未来への展望が見えなくなっています。そうした状況を何とか改善したいのですが?」とお尋ねすると、「私が参加している『大豆トラスト』が参考になるかもしれませんね」との事でした。「大豆トラスト運動」とは、1996年の遺伝子組み換え大豆の輸入解禁をきっかけに、国頼みではなく市民自らが国産の安全な大豆栽培に関わろうと始まった大豆自給運動です。市民が大豆畑の一定区画にお金を出し、生産者と共に種まき、草取り、収穫と作業を手伝いながら国産大豆を作り、それを食べ、国産大豆の自給率を挙げる事を目的にしています。実際にスタート当時2%だった国産大豆の自給率が6%まで上がっています。市民一人一人が「主体的に農業を守る事は私たちの未来を守る事」と気づき、より積極的に「食」と「農」が関わりあう形を、私たちの暮らしの中で繋いでいけたらと改めて思いました。小関さんは単に安全な食糧生産に留まらず、有機農業の持つ未来への可能性を今も持ち続けながら努力を重ねられています。小関さんのお米の味の原点はその「志(こころざし)」が育む美味しさなのです。

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